新名神高速道路から 鵜殿(うどの)のヨシを守る
雅楽の楽器の篳篥(ひちりき)のリードは、大阪・高槻市の淀川河川敷 鵜殿(うどの)ヨシ原のヨシを、
平安時代から使ってきました。篳篥のリードのヨシは、世界の中でもこの鵜殿のヨシ原でしか採れません。
江戸時代に書かれた古楽書にも「鵜殿の葦(よし)が最高のものである」と書かれ、また明治時代からは宮内
庁式部職楽部で使用する篳篥の葦は、現在も鵜殿の葦のみを使用しています。
しかし鵜殿ヨシ原に新名神高速道路着工と今年4月20日に政府は決定しました。
もし高速道路の工事が始まると鵜殿のヨシは絶滅してしまいます。鵜殿ヨシが絶滅することは、ユネスコ無形
文化遺産にも登録されている日本の雅楽の音色の死を意味し、雅楽を絶やすことになります。鵜殿ヨシ原の危
機は、雅楽の危機です。
世界の中でも一番古くから伝えられている総合芸術は、日本の雅楽です。
雅楽は能や歌舞伎などにも大きな影響を与えながら1000年以上前から今に伝えられ続けてきました。
海外でもハワイ大学、ケルン大学、コロンビア大学などには雅楽を研究し演奏する団体も誕生し活発な演奏活
動を展開しております。
この世界の誇る芸術を、私達の世代で絶えさせることはできません。
文化・芸術を大切にしていき、次の世代に伝えてゆきたいと願っております。平安時代から使われてきている
鵜殿のヨシを次の世代にも伝えていかなければと思っています。
文化・芸術を守り、雅楽を守るために新名神高速道路から鵜殿のヨシを守るために最善の措置をとられますよう
関係各位に強くお願いいたします。