舞楽面の貸出し

日本仮面文化研究所 所蔵の面

舞楽面の貸出しを始めます

日本仮面文化研究所所長の梁取氏は、多年に渡り舞楽面の研究を行うと共に舞楽面多数を製作してきました。これらの所蔵されている舞楽面を雅楽の発展と継承のためにと貸出の委託を雅楽協議会にされました。

貸出を委託された舞楽面は、一覧表(6ページ)の通りです。

陵王面は12面、その内 朝廷型の陵王面は3面あります。どれも動眼、釣り顎となっている桐製の本物ですので軽くて顔になじんで舞いやすいです。特におすすめは宮内庁楽部面の近似型(左写真)です。

陵王面の他に還城楽、納曾利、蘇莫者などの面もあります。(面の写真がカラーでないのが残念です)

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梁取 雅美 日本仮面文化研究所所長

(梁取氏製作の舞楽面の解説は、「雅楽だより」2010年1月20号、4月21号、 7月22号、10月23号を参照ください)

軽い 見やすい 舞いやすい 迫力が全く違う

梁取氏の陵王面で舞った方は「今まで樹脂製の面でしか舞ったことがありませんでしたが、梁取さんの本物の陵王面を手に取ってみて まず”軽い゛と思いました。それに顔になじみます。見えるところも広いです。

客席で見ているお客さんも、面の迫力は、樹脂の面とは全く違いますから、陵王の勇壮さが面からもにじみ出ます。この面で舞ったらもうこれでしか舞えなくなりますね。」と。

 

 

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写真左上・左下 陵王面(朝廷型江戸時代 宮内庁現用品に近似)

動眼・釣顎で桐製ですので軽くて顔になじんでとても舞いやすく、かつ歴史の重みを感じる荘厳さも兼ね備えています。是非、本物の陵王面で舞ってみてください。その違いが分かります

貸し出しに当り梁取氏より寄せられた文章

梁取氏は舞楽面の貸出にあたり、次のような文章を寄せられました。

舞楽を救おうという篤志をもった資産家の出現に期待する。

「舞楽が今や衰退・消滅の危機にあります。というのは今、雅楽関係者のほとんどが、本物の舞楽面を知らず、不良仮面を平気で舞台にかけて舞楽をけがしているのです。

ある団体では、綾切りと称して能面小面と同様に口を開けて、前歯を見せているものを使ったり、納曾利と称して青黒くペンキ塗りしたようなものを使っていました。

これはとんでもなく舞楽を汚す行為なのです。綾切りは、菩薩を意味しますから、口はしっかり閉じていなければなりませんし、納曾利は龍を意味しますから、緑のコケが身体に付いた龍体の緑色を基調とした彩色が古来より施されてきましたから、たとえ塗りがはがれてきても緑色の部分が必ず残っているのを見られるものですが、べったりと前面に青黒い塗装をした仮面を使うのは、デタラメをやったという事なのです。

このように乱れた雅楽界を改善するには本物の舞楽面で教育するしかありませんので、あえて日本仮面文化研究所所蔵の本物の舞楽面を全て雅楽協議会に委託して、雅楽関係者へ舞楽面の無料貸出しを開始する運びとなりました。

所蔵面は34面ですが、陵王面が12面で、その他納曾利、綾切、地久、散手など主な舞楽面を含みますから良く見てください。陵王には約1300年も昔の天平時代の紀元735年に聖武天皇が作らせた初代朝廷型舞楽面陵王の精密な複製品と、紀元752年の東大寺大仏開眼供養会の為に光明皇后へと唐から贈られた初代藤原型舞楽面陵王の精密な複製品が含まれ、これら貴重な歴史遺品の姿を現代の舞台に出現させるこ とで舞楽に大きな力を与えるものと思います。

ただ、これらの舞楽面を放出すると私と妻のこの先を生きるすべを無くす事になり、今年77歳になる老体でどうすればいいかという心配がありますので、願わくば、買い取って無料貸出しを実現して舞楽を救おうという篤志をもった資産家の出現を期待します。その方は関係者ばかりか、全ての国民から感謝され褒めたたえられるでしょう。

2019年1月27日

日本仮面文化研究所所長 梁取弘美

 

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陵王面 伊勢神宮(初代朝廷型)

 

 

 

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陵王面 伊勢型アレンジ

 

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納曾利 四天王寺型

貸出の方法について

保管・管理料 2万円 

舞楽面の貸出は、本物の面を知っていただき雅楽の素晴らしさを実感していただくためですので、舞楽面そのものの貸出料金は頂きません、無料です。ただし保管、管理の手数料として、本番1回、1面につき2万円を頂きます。送料は含まれておりません。高価なものですので原則手渡しをお願いします。

遠方の方はご相談ください。

傷つけないようにお願いします
なお、何分にも高価なものですので、信用、信頼のもとでの貸出しです。傷を付けないようにしていただくのはもちろんですが、万一傷を付けたり破損した場合は、速やかにご連絡ください。製作しました梁取さんに修理をお願いします。自分での安易な修理は、その後の修理が出来なくなる場合がございますので、絶対にお止めください。

「面が落ちそうになったら舞うのを止めて面を守る」
元宮内庁楽部楽長の東儀勝先生は、面の使用について「舞台のミスは1回限りだけど、面が壊れたら、もう2度とその面は存在しなくなるのだから、先ずは面を守る。面が落ちそうになったら舞うのを止めて面を守る。面を扱う上でとても大切な事だから忘れないでね」と念を押して話されていました。大切な面ですので、面が落ちそうになったら舞を止めるなど気を付けてご使用ください。

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胡徳楽 春日大社型

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還城楽 厳島神社型

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散手 春日大社型

舞楽面の見学

 「舞楽面を借りたいけど、どんな面なのか現物を見てみたい」という方は、お気軽にご連絡ください。

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蘇莫者 四天王寺型

手に取ってみて、その軽さと、顔に付けた感触と、何よりその彫刻と彩色の精緻さと豪華さに、昔の人の舞楽面に寄せた並々ならぬ気魄を感じていただけると思います。

篤志家の方を

募っています

貸出を行う舞楽面は、すべて梁取さんが製作された面です。舞楽面は特に高価なものです。安い面でも数百万円はいたします。それを「今、雅楽関係者のほとんどが本物の舞楽面を知らない。雅楽の素晴らしさをまず演奏者も知ることが大事」との梁取さんの想いから、本物の舞楽面の貸出を行うことになりました。

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地久 春日大社型

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綾切 住吉大社型

梁取さんの文章に、「願わくば、舞楽面を買い取って無料貸出しを実現して、舞楽を救おうという篤志をもった資産家の出現を期待します」とありますように、篤志家の方の申し出をお待ちしています。

貸出用 

舞楽面 一覧

⑴ 陵王 舞楽面    (12面)

➀観世音寺型

➁瀬戸神社型

➂厳島神社型

➃伊勢神宮型(初代朝廷型)

➄春日大社室町時代型

⑥住吉大社型

⑦鉄舟寺型

⑧東大寺型

⑨伊勢型アレンジ

⑩春日大社江戸時代型

⑪小茂田浜神社型

⑫朝廷型江戸時代(宮内庁現用品に近似)

⑵ 抜頭  瀬戸神社型  1面

⑶ 還城楽 厳島神社型  1面

⑷ 納曾利 ➀四天王寺型 1面

➁瀬戸神社型 1面

⑸ 綾切  住吉大社型  1面

⑹ 蘇莫者 四天王寺型  2面

⑺ 地久  春日大社型  5面

⑻ 胡徳楽 春日大社型  1面

⑼ 進走禿 手向山型   3面

譽田八幡宮型 3面

⑽ 退走禿 誉田八幡宮型 1面

⑾ 新鳥蘇 春日大社型  1面

⑿ 散手  春日大社型  1面

 

 

舞楽面貸出し、及び見学の

問合せ・連絡先は左記です。

℡ 042-451-8898  Fax 042-451-8897

住所 〒188-0013

東京都西東京市向台町6-12-6 鈴木治夫

(「雅楽だより」連絡先と同じです)