『ヨシ原通信』No.260 2023年10月10日(火)

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『ヨシ原通信』No.260 2023年10月10日(火)
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[1] 振り返り―⑩
[2] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[3]『ヨシ原通信』バックナンバー
[4] 問合せ先

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[1] 振り返りー⑩

★ 前号(№259)で紹介しました国立文化財機構 東京文化財研究所発行の『無形文化遺産研究報告』(第16号・17号のアドレスが間違っていましたので訂正します。
16号 https://tinyurl.com/RRonICH16p29-40 3枚目「トピックスⅠ篳篥リード・・ 」から
17号 https://tinyurl.com/RRonICH17p25-39 3枚目の下の方「トピックスⅠ篳篥リード」から

○上牧・鵜殿ヨシ原のお花(植物)など

昨年(2022年)より篳篥用ヨシの再生活動を始めました。ヨシ原は絶滅危惧種や準絶滅危惧種など珍しい植物を始め、いろいろな植物・お花が生育しています。ヨシに悪さをするカナムグラ、ヤブガラシ、セイタカアワダチソウ、オオブタクサなども生えています。ヨシ原で出会った植物・お花などを何回かに分けて紹介します。(写真は全て私の撮影です)

●ノウルシ

ヨシ原の春、ヨシが芽を出す頃、黄色く花の様に目立つ植物があります。<のうるし>で準絶滅危惧種、最近は湿地の減少で数を減らしているので準絶滅危惧種に指定されている。
茎や根を切ると漆に似た白い液体(乳液)が出ることから、ノウルシの名がついているそうで、黄色く色づいているのは葉っぱの一部で地味な花の代わりに目立っていて、花粉を運ぶ昆虫を呼び寄せる働きを持っているそうです。私も見た時は黄色く透き通った花の様に見えました。

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(写真 葦牙の後ろに生えるノウルシ 準絶滅危惧種 2022年4月4日撮影)

3月下旬から4月上旬に花が咲き、5月に実をつけた後、6月には地上部は枯れ、夏から翌春までは地下で根だけの状態で休眠だそうです。上牧(かんまき)・鵜殿(うどの)ところどころに生えています。とても珍しい植物だそうですからご覧ください。10年ほど前の写真を見ると今よりたくさん芽生えていたようです。

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(写真 ノウルシ 2023年4月7日撮影)

●トネハナヤスリ(利根花鑢) 絶滅危惧種の

トネハナヤスリの自生地は利根川水系と淀川ヨシ原だけだと言われていました。しかし、上牧・鵜殿ヨシ原では「絶滅危惧種のトネハナヤスリを踏まないと歩けないほど」という(『生物多様性のフィールド 鵜殿ヨシ原 ログブック』p29 発行 鵜殿ヨシ原研究所 2010年) 10年以上前は今よりもっと生えていたようで、昨年2022年、今年2023年もあちこちで芽生えています。

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(写真 トネハナヤスリ 絶滅危惧種 2023年4月2日撮影)

2023年4月2日は葉を出しただけでしたが、今日(4月18日)は「やすり」の部分も大きくなっていました。

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(写真 鑢の部分も大きくなったトネハナヤスリ 2023年4月18日撮影)

鑢(やすり)という名前は「5月の末にはこの中で育んだ胞子を放出して誰もが納得するヤスリになる。」という。今年は昨年より生育エリアが増えているように思います。

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(写真 ヨシの間からも利根花鑢(トネハナヤスリ)が芽を出しています。2023年4月2日撮影)

ハナヤスリ科。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)https://waterplants.web.fc2.com/zufu_hanayasuri.html

●キツネノカミソリ

昨年(2022年8月8日)「つる草抜き」の上流エリア12-13-Aの区画の前を通っていると、「キツネノカミソリ」ですよと高田みちよさん(高槻自然博物館学芸員)に教えていただきました。

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(写真 キツネノカミソリ 2022年8月8日撮影)

とても珍しい花で東京都や和歌山県などは絶滅危惧種に指定されていました。
名前も変わっていますね。7月の「つる草抜き」の時は誰も全く気が付かなかったのですが、このキツネノカミソリは、どうも突然に現れて美しい花を咲かせる。その様子が昔から狐に化かされているように感じ、また炎のような花は「狐火」に見立てられたようです。「きっと今までは咲かなかったけれど、「つる草抜き」をしているので、少し日が差してきて花を咲かせたのだと思います」と高田さんは話していました。「つる草抜き」をしたからこそ咲いた花なのですね。点々とキツネノカミソリが咲いています。

キツネノカミソリのその後

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(写真 キツネノカミソリ 2022年8月24日撮影)

8月28日もまだ咲いていました。

今年(2023年)も咲くのだろうかと心配しましたが、8月13日に「キツネノカミソリが咲いています」と連絡を受けて、今日(8月20日)写真に収めました。昨年より遅れて咲いたようです。

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(写真 キツネノカミソリ 2023年8月20日撮影)

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[2] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」のエリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。

連絡先・問合せ先
メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[3] 『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

これまでに配布しました資料などは下記のアドレスから見ることがます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX

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[4] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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