『ヨシ原通信』No.293 2024年4月16日(火)

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『ヨシ原通信』No.293 2024年4月16日(火)
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[1] 4月14日(土)の「つる草抜き」
アマチャヅルの発芽
[2] 導水路に水が流れています。
[3]「つる草抜き」今後の日程
[4]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[6] 寄付のお願い
[7]『ヨシ原通信』バックナンバー
[8] 問合せ先

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[1] 4月14日(土)の「つる草抜き」

第2クールの最終日となった4月14日(日曜)は、天気も良かったせいか参加者は19名と多くの方々にご参加頂きました。作業は26番のエリアから新下流の最後のエリア32番まで、「つる草」などを抜くことが出来ました。

多くの皆様にご参加いただき第2クールの「つる草抜き」も順調に終えることが出来ました。ありがとうございました。

次回は第3クール 4月30日(火) 5月1日(水) 5月2日(木) 各日共朝9時より午後4時となります。時間の都合をつけていただきご参加いただけますよう宜しくお願い致します。

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2024年4月14日 つる草抜き 写真 安田さん

アマチャヅル が発芽
去年、一昨年は見かけませんでしたが、今年は下の写真のようなつる草が生えてきました。 何の草だろうかと教えていただき、「アマチャヅル」とのことです。

漢字では甘茶蔓、中国では「絞股藍(こうこらん)」と呼ばれて生薬として使用されているという。学名: Gynostemma pentaphyllum)

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エリア内に生えて来た アマチャヅル。(2024.4.14 写真 角南さん)

名前を教えていただきありがとうございます

少し調べてみますと、アマチャヅルは雑草として日本各地で自生している植物ということもあり、日本では昔から飲まれていたお茶のひとつであるといわれています。その甘さのため、砂糖などの甘味料がまだ使用されていなかった平安時代においては、甘味料の代わりとして使用されていたといわれ、平安時代以前にはアマチャヅルのつるの甘い樹液を使って甘葛(アマズラ)という甘味料を作ったという記録も残りっているといいます。現代人にとっては馴染みが薄いお茶ですが、昔の人にとっては馴染み深いお茶のひとつであったのだそうです。

アマチャヅルは生薬としても長い歴史を持っていて、生薬名は七葉胆(しちようたん)といい、疲労回復や老化防止、ストレス解消などのさまざま効果効能が期待できるといわれ、人々の身近な薬として、お茶にして飲む、粉末にして食べるなどの方法で利用され、副作用としては、便秘、めまい、耳鳴り、悪心、嘔吐、腹膨などの副作用が知られているようです。

このアマチャヅルは、昨年までは生えていなかったように思いますが、平安時代の昔から生えていて、甘味料の代わりとして使用されていたという草なのですね。

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[2] 導水路に4月10日から水が流れています。

今年も導水路に水を流していただけるようにと今年2024年2月27日、国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所長に「導水路に水を流し、ヨシ原再生へのお願い」として上牧実行組合、雅楽協議会ほか地元の団体の方の名前で要望書を提出したところです。

河川事務所に提出した要望書の内容は下記です。(挨拶部分は略)

「ご承知のように、2021年の秋、鵜殿ヨシ原では切り下げ地を除いてヨシは全滅してしまいました。いろいろな原因が考えられますが、ヨシ原の乾燥化によりカナムグラ、ヤブガラシ、オオブタクサ、セイタカアワダチソウなどが繁茂し、ヨシを押し倒して行ったことが直接的な原因と考えられます。これらの植物の繁茂はコロナ禍による「ヨシ原焼き」の2年続けての中止も原因の一つとして考えることが出来るだろうと推測するところです。もう一つの原因としては、導水路への揚水ポンプによる通水が不十分だったことなどによる乾燥化も挙げられるように思います。

私たちは何とか、このヨシ原を昔のようにヨシが生い茂るヨシ原へ再生して行きたいと願っています。

雅楽関係者が一昨年は4000㎡、昨年は7000㎡余とほんのわずかの面積でしたが、3月より9月まで「つる草抜き」を行い、ヨシの再生を成功させました。今後も篳篥の蘆舌に使用するヨシの再生と共に、ヨシ原全体もヨシの原とすべく取り組んでいきたいと願っているところです。

つきましては、ヨシ原焼きを2月18日に行うことが出来ましたので、導水路に3月初旬より水を流していただけますと、カナムグラなどのつる植物、乾燥化による外来種の植物もその繁茂を抑えることができます。水辺のヨシは柔らかく篳篥の蘆舌のヨシには適しませんが、水辺に生えるヨシを再生させることによって、篳篥の蘆舌のヨシ(陸ヨシ)を増やしていくことも出来ると推測しています。そして、ヨシ原をヨシが生い茂るヨシ原へと再生させたいと願っております。

今年は是非3月初旬から9月20日頃まで導水路に水を流していただき、カナムグラなどの発芽、生長を抑制し、繁茂を除きたいと思いますので、春からの継続した通水をしていただきますようお願いするものです。」(以上)

要望書には水を流す時期を「3月初旬より水を流していただきたい」としましたが、返事は「予算の関係で年度が変わって4月からになる」との事でした。4月に入りポンプを動かそうとするとポンプの故障が見つかり、修理してから導水となり流され始めたのは4月10日からでした。

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写真 管理道路より淀川方面を見る。導水路にとうとうと水が流れて行きます。2024.4.12

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写真 道路より堤防側 川底が清掃され水がゆったりと流れていきます。2024.4.12

昨年は、水を流してから、枯れたヨシが水の流れを妨害することが分かり、水の中に入って清掃しました。

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写真 昨年2023年4月17日。導水路の水の流れている中に入り枯れたヨシなどを清掃

水の中に入っての清掃は、ヨシや枯れ草が水を吸い重くもなり、足場も悪くなるので、今年は水の流れる前に、枯れたヨシや草などを清掃

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今年2024年3月29日 綾史郎さん、赤對一雄さんがヨシを刈り倒し導水路の外へ運ぶ。

3月31日は「つる草抜き」のメンバーも一緒に導水路を清掃。

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[3]「つる草抜き」2024年 日程

第2クールが終わりましたので、次は第3クールからです。
都合をつけてご参加いただけるとありがたいです。寄付も募っています。

第3クール 4月30(火)/5/1(水)/2(木)   ※1
第4クール 5月18 (土) /19日(日) /20(月)   ※1
第5クール 6月3(月) /4(火) /5(水)  ※1
第6クール 6月22(土) /23(日) /24(月) (夏時間) ※2
第7クール 7月8(月) /9(火) /10(水) (夏時間) ※2
第8クール 7月22(月) /23(火) (夏時間) ※2
第9クール 8月3(土) /4(日) (夏時間) ※2
第10クール 8月20(火)/ 8/21(水)   (夏時間) ※2

※1の 第1クールから第5クールは、9時から午後4時です。
※2の 第6クールから第10クールは、夏時間8時から11時です。トイレは使用できません。
※雨天の場合は中止です。また天気予報で雨の予報の場合、中止になる可能性が高いです。
「中止」の場合はこの『ヨシ原通信』などでお知らせします。

●受付・休憩場所はつる草抜きの現場です。堤防から見えますが、歩いて10分ほどかかります。
(4月は堤防の上(旧山崎出張所付近)より見つけられます。)
「つる草抜き」は朝9時から夕方4時までですが、受付専用の事務員がいるわけではありませんので、ボランティアの方の受付は、基本的に9時と1時とになります。ご了承ください。
(問合せ先は 090-1538-1693 雅楽協議会・鈴木となります)

●持物 鎌などはありますが、手袋(軍手)や帽子、飲み物・食べ物などは持参ください。
天候により寒い日もありますので、ジャンパーなども

●ボランティア保険(障害保険 ケガや熱中症)に今年も入りますので、氏名の記載をお願いしています。
保険料はこれまで同様に雅楽協議会が支払います。

●トイレはNEXCO西日本の工事場の男女別のトイレを今年も借用します。
(6月中旬からは、台風などの影響を避けるため工事関連は全て撤去されますので、トイレも無くなります)

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[4] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

「つる草抜き」は3年目になります。なぜ篳篥用ヨシが悪くなっていったのかなど疑問に思うこと、つる草抜きの意義や活動などを記録しました。

是非お読みください。

目次
はじめに
①篳篥用ヨシ 全滅から再生へ~上牧・鵜殿ヨシ原~ p4
②この18年間の篳篥用ヨシをめぐって p22
③ヨシ原焼きの歴史 p28
④ヨシの成長 空洞はどのように形成されるのか p32
⑤篳篥の蘆舌 ダンチクからヨシへ p36
⑥牧野富太郎 篳篥用ヨシの調査 鵜殿ヨシ原へ p40
⑦書籍などに登場する「鵜殿」p49 篳篥などに関する話題 トピックスなど 鈴木治夫 著

発行: 2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁 定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。

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裏表紙 ヨシ原に咲く花や鳥 などカラーで掲載しました。

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[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[6] 寄付のお願い
篳篥用ヨシ再生(つる草抜き)への寄付振込先

●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[7]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=4033
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

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[8] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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