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『ヨシ原通信』No.69(2022年7月25日(月))
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局(担当 鈴木治夫)
篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)
ⓒReiko Okano
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[1] 「つる草抜き」予定. 26日(火)、27日(水)、28日(木)、29日(金)
[2] 今日のヨシ原. 参加者12名、協力者4名 計16名で「つる草抜き」
[3] ヤブガラシの除草の方法 その3
[4] 『ヨシ原通信』バックナンバー
[5] 寄付のお願い
[6] 問合せ先
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[1] 「つる草抜き」予定
26日(火)、27日(水)、28日(木)、29日(金)
(雨の予報や作業の進捗状況により日程変更があります)
朝8時より11時まで
集合場所 28-Aの前(木陰のできるところ。以前の受付より200mほど先)
トイレはヨシ原の中にはありません。(事前に用を済ませてください)
水は多めにお持ちください。(水を飲んでも汗となり出ていきます)
暑い中での作業となりますので、熱中症に十分注意しながら行いましょう。
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[2] 今日のヨシ原
参加者12名、協力者4名 計16名で「つる草抜き」
朝は曇りでしたが、9時頃からは晴れて気温も30度を超えたでしょう。お互い熱中症に注意しながら、作業を進めました。
11-18の区画は、6月9日、10日に「つる草抜き」を行ってから、1カ月半ほど経過しました。7月に入ってからの「つる草」(ヤブガラシ、ヒルガオなど)の伸びは、早いものです。2mから3mに伸びています。
横の写真は ヤブガラシ、ヒルガオなどが2m以上に伸びで互いに絡み合い、その重さだけでもヨシを倒していきます。つる草どうしが数本のヨシに絡み合いながら、ヨシを曲げていきますので、つるを引っ張るとその力でヨシが折れてしまいます。ですので、つる草の絡み合いをほどかないと、ヨシの曲がりを直すことが出来ないのです。ツルを切りながらほどくようにつる草を除いていきます。時間もかかります。
6月、7月初旬のつる草が1m位の時は、お互いが絡み合ってはいなかったので、はずすのも簡単でした。しかし、2m以上に伸びたつる草を取り除くには、根の近くを切っただけではだめでした。ヨシは曲がったままとなっているので、絡み合っているのを外さないとヨシの曲がりを直せませんでした
予想以上に時間がかかります。
来年の教訓としては、「つる草抜き」は早め早めに対処しておく。1mを超えないぐらいで対応するのが良い。ヤブガラシの6月、7月の伸びは1日約5㎝~10㎝近く伸びていそうです。
ヤブガラシ、ヒルガオなど、それぞれ数本ずつがヨシに入り組んで絡み合い、曲げていきます。からんだつる草をほどかないとヨシの曲がりを直せない。
ヒルガオも何本も巻き付くと意外な力を発揮しそうです。
ヤブガラシとヒルガオがからまり付く。伸びるとその重さだけでヨシは曲がっていく。
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[3] ヤブガラシの除草の方法 (その3)
昨日紹介した「ヤブガラシはヤブガラシには巻き付かないという研究」の前にヤブガラシをくるくる巻いて置いておくだけで、ヤブガラシを減らすことが出来るのか、という実験で、「前編」と「後編」については(その1)(『ヨシ原通信』№67
③【雑草対策 直香園芸 naokaengei 5/17】)で紹介しました。
「後編」の最後に「1年後、ヤブガラシはどのようになったか、報告します。」とありましたので、気になっていたのでいろいろと探しました。やっと見つけました。貼り付けます。
結果は、「ヤブガラシをくるくると巻いて(20本余りを)置いたままにしておく。1年後 生えてきたのは7本 約三分の一に減った」というものです。その場で枯らす、駆除する、除草するというのではなく「ここには、もう生えてこなくても良いですよ」という意味なのかもしれません。3年目になれば20本だったヤブガラシが1、2本生えてくるくらいに減るのかもしれません。
「前編」
「後編」
昨日紹介した「ヤブガラシはヤブガラシには巻き付かないという研究」のブログは↓です。
ヤブガラシの巻きひげは、ヤブガラシには巻き付かない 巻き付いていたら巻き戻す力が働くというのです。
そして、巻きひげの素早い巻き付き運動はダーウィンの時代から研究されていたといいます。
【東京大学大学院農学生命科学研究科 プレスリリース2017/03/01
「ペロ・・・これは同種の味!!」つる植物は接触化学識別(味覚)を使って同種を避けている】
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2017/20170302-1.html
以下 一部転載
「◆つる植物の巻きひげが、動物では味覚と定義される「接触したものを化学的に識別する能力」を持ち、同種の葉への巻き付きを忌避していることを発見しました。また、その識別に関与する物質を特定しました。
◆巻きひげの素早い巻き付き運動はダーウィンの時代から研究されていますが、巻きひげが接触した物体を化学的に識別し、巻きつく相手を選ぶ能力があることは全く知られていませんでした。
◆今後、つる植物の味覚を詳細に解明することで、つる植物の巻き付きを制御できるようになる可能性があります。」
「ヤブガラシは同種の葉と他種の葉を識別し、同種の葉に対する巻き付きを強く忌避することが分かりました。さらに、同種と他種の葉を同時に接触した時には、正確に同種の葉を避け他種の葉を選択できること、また他種の葉に巻き付いている途中で同種の葉に接触した時には、巻き戻る能力を持っていることもわかりました。つる植物は、自らだけでは上に成長することができず、安定した物体に巻き付いて登っていく必要があります。高い密度で繁茂することの多いヤブガラシにとって、同種を適切に避ける能力は、他種の植物など安定な物体に巻きつく上で必須な能力だと考えられます。それゆえ、同種かどうか葉を識別し、強く避けるという性質が進化したのだろうと考えられます。」
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2016.2650
ヤブガラシは、すぐれた能力を備えているようですね。
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[4] 『ヨシ原通信』バックナンバー
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
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●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫
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[6] 問合せ先・連絡先
メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡ 090-1538-1693 携帯に変更になっています。
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局 担当 鈴木治夫
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