◆─◆◇◆◇◆◇◆◇◆───
『ヨシ原通信』No.73(2022年7月29日(金)
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局(担当 鈴木治夫)
篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)
ⓒReiko Okano
──ー◆◇◆◇◆◇◆◇─◆─
[1] 今日のヨシ原 参加者9名で「つる草抜き」
[2] 今日(28日)の出来事
[3] 『ヨシ原通信』バックナンバー
[4] 寄付のお願い
[5] 問合せ先
▼────────────────
[1] 今日(28日)のヨシ原
参加者9名で「つる草抜き」
6月の「つる草抜き」から約1か月半、手を付けていなかった11-ABから18-ABの区画は、予想以上に「つる草」(ヤブガラシ、ヒルガオ など)が生い茂り、ヨシやオギにからまり付き、ヨシの先端まで成長しているつる草もあり、取り外すのに苦労しました。
「つる草」は、1mに成長するまでに手を付けないといけませんね。「つる草」がヨシの先端の方まで伸びてしまうと、除草する手間は4、5倍となります。
↑の写真は、6月から1か月半ほど「つる草抜き」をしなかったところです。
いろいろなつる草がからまり付き、ヨシの先端まで伸びているヤブガラシもあります。
「もし、このままにしていたら、どうなるのか?」ということで、少し狭い範囲(12-Bの奥、12-Cの境目)ですが、今後(来年以降)の参考に観察する区域(観察区)としました。
この箇所を4月、5月、6月とみんなできれいにしてきたところですが、あえて「7月、8月、9月と何もしなかったら秋以降どのようになるのか」ということも継続して記録に残すことにしました。
リボンで囲ったところは、このままにして経過を見ることにしました。
このような記録を取るならば、「4月から何の手も付けなかった箇所の記録も残そう」と11-C Dに近い所も経過観察することとしました。
このようなヨシが「つる草」によってどのように押しつぶされていくのかの記録は、何もないのだそうです。今後「篳篥のヨシの再生」の為には貴重な資料の一つになるのではないかと思っています。
下の写真は、何もしなかった場所の現在の様子です。
「つる草抜き」をしていない場所です。(4月10日に1度 カナムグラを抜いています)
ヨシの上にヤブガラシが覆いかぶさって、その重さだけでヨシは押しつぶされています。
ヤブガラシの下は↓このようになっています。
ヤブガラシの下には、ヨシやオギが腰を曲げて耐えています。
遠くにはヨシの頭が見えますが、きっと1か月後には見えなくなっていることでしょう。
↑ヨシやオギが腰を曲げて耐えています。
ヤブガラシは、太陽の光を受けて光合成を盛んにし、葉も茎も大きく成長し、重くもなってヨシを押しつぶします。
それに引き換え、ヨシの葉には光が当たりません、根の所は光が届かないので真っ暗です。腰を曲げて耐えているヨシを見ると悲しくなります。
ヨシは、ヤブガラシなどのつる草の重さを一身に受けて、耐えながらもさらに腰を曲げていきます。
これでは、光合成もできないし、腰が折れないように耐えているしかない。ヨシの地下茎に栄養分を送ることなど到底出来ない。このような状況では、太いヨシに成れるわけがない。
すでに、昨年の秋、「ヨシは全滅しています」の時とほぼ同じ状況になってきています。
ヤブガラシなどの「つる草」は太陽の光を受けて光合成をし、すくすくと育っていくのです。
いつかヤブガラシとヨシが逆転し、ヨシが太陽の光を受けて光合成しすくすくと育っていくヨシ原にしたいですね。
40年まえ、1981年発行『自然観察会ニュース 鵜殿のヨシ原』の中で田口圭介さんは、次のように書いています。
「立派な「鵜殿葭の原」の石碑はすでに堤防に建てられているけれども、みごとに生えそろった本物のヨシで、それとわかるようにしてもらいたいものだ」と。
多くの皆さまのご協力を心よりお願いいたします。
▼────────────────
[2] 今日(29日)の出来事
イナゴ 道路の脇で休んでいました。
良質な蛋白源だったイナゴも農薬を散布するようになって激減したと聞いています。
▼────────────────
[3] 『ヨシ原通信』バックナンバー
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
▼────────────────
[4] 寄付のお願い
「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。どうぞよろしくお願いいたします。
寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会
●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫
▼────────────────
[5] 問合せ先・連絡先
メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡ 090-1538-1693 携帯に変更になっています。
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局 担当 鈴木治夫
▼────────────────