◆─◆◇◆◇◆◇◆◇◆───
『ヨシ原通信』No.108 2022年10月23日(日)
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局(担当 鈴木治夫)
篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)
ⓒReiko Okano
──ー◆◇◆◇◆◇◆◇─◆─
[1] 振り返り-2
[2] 「まとめの会」を開きます。
11月18日(金)午後1時30分 上牧公民館
[3] 篳篥の不思議と神秘-2
[4] 『ヨシ原通信』バックナンバー
[5] 寄付のお願い
[6] 問合せ先
▼────────────────
[1] 振り返り-2
〇ボランテイアとアルバイト
4月11日から本格的に「つる草抜き」を始めました。
準備の段階で、「つる草抜き」は原則ボランティアという方針を立てました。但し遠い方は交通費(東京から往復3万円余)も時間もかかるので、その分を寄付していただき、アルバイトの方に「つる草抜き」をお願いする、しかし「つる草抜き」はあくまでもボランティアを優先した考えた方ですすめるべく体制を考えました。
その準備の段階で「どうやって人を集めるのですか?寄付は集まるのですか?今時草取りのボランティアやアルバイトは集まらないと思う」という意見が多く寄せられました。では「止めますか?」「何もせずに全滅を待ち、千年以上の雅楽の伝承を途絶えさせるのですか?」となる。答えは「誰かがやらなければ世界の文化の雅楽が廃れる」ということです。
それからは多くの人に参加していただけるよう、ボランティアもアルバイトも当日申込も受け付けることとしました。
11日は予想を超えるアルバイトの当日申込がありました。もし寄付金額を超えたら、「失敗」につながると頭をよぎり、助言も寄せていただき翌日12日からのアルバイトの当日受付は終了とさせていただきました。
混乱もあり、ご迷惑をおかけしましたが、「ヨシ再生」の「失敗」を考えると「当日受付終了」しかなかったと思います。(『ヨシ原通信』№19 4/12)
混乱しましたが、予想以上に多くの方々からご協力いたたけたことを感謝するとともに思い至ったのは「雅楽という世界の文化を守り伝えて行く」「自然とその景観を守り伝えて行く」ことの持つ力を感じるのでした。
受付終了の掲示を受付テーブルに張り出す。4月12日より
通路にも「受付終了」の掲示
〇抜いた草の重さ
抜いた草の重量は、10日400名半日350㎏(一人1日平均1.75㎏)
11日50名105㎏(一人1日平均2.1㎏)
12日43名180㎏(一人1日平均4.1㎏) 3日間合計635㎏
つる草を抜いた重量の平均を出したてみました。一人平均を比べますと日に日に多くなっています。つる草を抜くのに慣れてきたのと、草も成長して重くなったのと両方かもしれませんがすごい量のつる草を抜いていきました。(『ヨシ原通信』№17、18、19)
4月は抜いた草を道路と川の間に廃棄していました。
5月からは抜いたその場に捨てておく。
4月は担当1区画1名でカードを首に下げ抜いた草を手にしたビニールに入れ、回収しました。
▼────────────────
[2] 「まとめの会」を開きます。
11月18日(金)午後1時30分 上牧公民館
「つる草抜き」初年の「まとめの会」を開きます。
来年の「つる草抜き」に向けて、良かった事、改善したほうが良い事、などなど情報を共有するとともに意見を出し合う会です。
多くの皆さまの参加をお待ちしています。
『上牧・鵜殿ヨシ原の篳篥用ヨシの再生に向けた取り組み 中間報告』(A4 20p)にまとめてあります。下記よりダウンロードするとどなたでも読むことが出来ます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX
▼────────────────
[3]篳篥(ひちりき)の不思議と神秘-2
〇篳篥は雅楽全ての種目の曲で奏でます。
雅楽の管楽器は、笙、笛、篳篥の3種類を使用しますが、雅楽の種目によって使用しない楽器もあるのです。特に笛は唐楽の演奏の時は龍笛を、高麗楽では高麗笛を、御神楽では神楽笛を吹きます。ですから笛吹きは、3本の種類の異なる笛を持っています。また和音を奏する笙は高麗楽などでは奏しません。
雅楽の種目別に使用する楽器を一覧表にしてみました。
唐楽(中国大陸から伝えられた楽曲など) 篳篥 笙 龍笛(りゅうてき)
高麗楽(朝鮮半島から伝えられた楽曲など) 篳篥 高麗笛(こまぶえ)
歌物 催馬楽(和歌)・朗詠(漢詩) 篳篥 笙 龍笛
御神楽(宮中での祭祀) 篳篥 神楽笛(かぐらぶえ) 和琴(わごん)
東遊(あずまあそび) 篳篥 高麗笛(東遊笛) 和琴
大歌/五節舞(ごせちのまい)) 篳篥 龍笛 和琴
久米舞(くめまい) 篳篥 龍笛 和琴
笙は唐楽と歌物のみで奏されて他の種目では奏しません。
笛は種目により3種類~4種類(神楽笛、龍笛、高麗笛、東遊笛)の笛を吹き分けます。
特に神楽笛は御神楽の時にのみ奏されます。
和琴を書き加えたのは、日本古来の音楽には和琴が使用されるからで、御神楽の時はもちろんですが、東遊や大歌の時も和琴が奏されます。笙は日本古来の音楽には奏しません。何故なのでしょう。
しかし、篳篥は全ての種目で奏されます。なぜ篳篥は雅楽の全ての種目で奏されるのか、不思議に思っているのですが、理由について書かれたものをまだ読んだことが無いのです。
▼────────────────
[4]『ヨシ原通信』バックナンバー
『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
▼────────────────
[5]寄付のお願い
「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。どうぞよろしくお願いいたします。
寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会
●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫
▼────────────────
[6]問合せ先・連絡先
メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室事務局 担当 鈴木治夫
▼────────────────