『ヨシ原通信』No.166 2023年4月9日(日)

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『ヨシ原通信』No.166 2023年4月9日(日)

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano
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[1] 導水路 その後
[2] 葦牙(あしかび)の中
[3] カラスノエンドウ
[4]「つる草抜き」予定
[5] 寄付のお願い
[6]『ヨシ原通信』バックナンバー
[7] 問合せ先

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[1] 導水路 その後

導水路に4月3日より水が流れ始めましたが、枯れ草などにより水が流れにくいので綾先生(大阪工業大学名誉教授)が枯れ草などを取り除き、水の流れを良くしてくださいました。(『ヨシ原通信』№165 4月7日)

では、その後の水の流れはどのようになったか、赤對(しゃくつい)さんが写真を送ってくださいました。
この写真を見て綾先生が現状を書かれています。

赤對さんからの写真と綾先生の現状の報告を転載させていただきます。

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(写真に添えられた赤對氏よりのコメント「全域が水浸しになればカナムグラが枯れるかも知れませんね。昨日の掃除の成果でしょうか。上流側鉄塔の近くまで流れてきています。」
写真の正面奥に男山(石清水(いわしみず)八幡宮が鎮座)、すぐ左に見えるのが高速道路の堤防側の橋脚、右端から高速道路の橋脚が伸びてくるのが見える。写真 赤對一雄氏)

この写真について綾先生の報告

「状況の変化を素早くお伝え頂き、深く感謝申し上げます。
さて、土曜日時点で、水は上流側鉄塔上流の土堤を越えてその先まで達しているようですね。また、上流の水位も上がって、水面幅が広くなっているようです。目印に立てたオオブタクサの枯れ木が水に浸かっていますし、両側の小高いセイヨウカラシナの生えている小径まで冠水が拡がっています。カナムグラの冠水している面積が増えているので、状況がよくなっていることに間違いはありませんね。

要因はいくつか考えられます。
1.何らかの要因によって、浸透量より通水量の方が増えたので、より下流にまで達するようになった。理由としては、以下のものを思いつきます。

通水開始から時間が経ち、地下への浸透量が減って、導水路の下流の流量が増えた。
淀川高浜の水位が7日には1.5m程度上がっているので、揚程が小さくなり、ポンプの揚水流量が増えた。
河川水位が高くなったので地下浸透量が減って、通水量が増えた。

2.第2渡り付近から下流で導水路の勾配がゆるくなっているか、逆勾配になっていて、これまでの通水によって上流側で水が溜まって水位が上がり、

上流側の冠水面積が増えるとともに、浸水域(通水域)が下流まで増えた。
第一渡り上流部から、管理用道路側に流れている水による冠水や、第2渡りまでに新川側の配水地への配水量や、管理用道路側への自然配水量と冠水面積も気になるところです。」

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[2] 葦牙(あしかび)の中?

3月12日(日)にヨシ原焼きが行われました。ヨシ原焼きが3月12日という3月に入ってから行われたのは、初めてのことだそうです。今までで一番遅い「ヨシ原焼き」です。
ですので「つる草抜き」を予定している3月25日までにつる草が生えてくるかど心配でしたが、カナムグラはやはりすごいですね。二葉が生えてきていました。

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(カナムグラが芽(二葉)を出しています。2023年3月24日)

ロープの内側(昨年つる草抜きをしたエリア)には、ほとんどカナムグラは生えてきていませんでしたが、ロープの外側はヨシ原焼きをしても多いです。

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(ヨシの太さはいろいろです。2023年3月24日)

細いヨシや太いヨシ、そして目につくのは黒く焦げているところは下の方。下から順に成長するなら黒く焼けたところはてっぺんに行くはずなのに? なぜなの?
ヨシの太さは生えてきたときの太さでほぼ決まるというのは、本当なのか? そして何故なのか? 調べていきましょう。

下の写真はヨシ原焼き直後のヨシ 大地から芽を出しているところは黒焦げです。

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(中央に黒くとがっているのが、芽を出したヨシ。焼かれ黒く見える。2023年3月12日午後3時過ぎ)

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(2023年3月24日撮影)

黒く焦げたところはてっぺんではなく、下の方と真ん中あたりです。
てっぺんは黒く焼けてはいません。黒く焦げた葉の先端は、雨や風などで洗われ流されたのでしょうか?

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(2023年3月24日撮影)

他のヨシも見ましたが、焦げているところは下の方と真ん中あたり。
焼けたのはヨシの先端なのに、先端は焼けた跡がないのです。

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黒く焼けた跡が残るのは下の方のだけです。不思議です。2023年3月31日撮影)

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(2023年4月3日撮影 成長していくヨシ。もう50㎝程に伸びています。)

もう一つ気付いたのは、節と節の間隔が伸びていくことでした。
3月24日のヨシと4月3日のヨシを見比べますと、節の間隔が広くなっています。
葦牙(あしかび)は、『古事記』『日本書紀』で神になったと記されています。
そしてまたヨシ(アシ)はいろいろな漢字で表記されます。

江戸時代(1803年)に小野蘭山の書いた『本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)』に「蘆は、初・長・成の3つに分けて、葭は初生で、蘆は長で、葦は成です。そして蘆は総名(全体を表す名前)です。」と書かれています。(『ヨシ原通信』№148 3月10日)

何故 3つも名前を持っているのか、その違いは何なのか、何か意味があるのでしょうか。せっかくヨシとかかわるようになったので知りたく思いました。(続く)

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[3] カラスノエンドウ

この花も「教えてください」と掲載(№158)して教えていただきました。(掲載が遅れ申し訳ありません)

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赤、ピンク色の可憐な花です。

名前はカラスノエンドウ。漢字は烏野豌豆。音節の区切りは「カラスノ エンドウ」ではなく、「カラス ノエンドウ」で、カラスの為のエンドウ豆ではなく、ましてやカラスがこの豆を好んで食べるというような話は聞かないそうです。名前の由来は、種子が熟すと真黒になるのが、鳥類のカラスを連想させるからだそうです。標準和名はヤハズエンドウ。

調べてみると、蟻やアブラムシテントウムシも蜜などをもらいに集まるそうです。

「カラスノエンドウは花の他に葉の付け根にある托葉という部分にも蜜腺をもっており(花外蜜腺)、分泌される蜜を求めて多くの蟻が集まってきます。これは花粉を運んでもらうためではなく新芽や葉を食べる虫から身を守ってもらうために蟻を呼び寄せていると考えられています。

ただし、カラスノエンドウの汁を吸うアブラムシは蟻の好む甘い排泄物を出すため、蟻には追い払われません。そのため、カラスノエンドウには蟻やアブラムシ、さらにアブラムシを捕食するテントウムシなど多くの虫が集まります。」https://botanique.jp/cultivation/plt00762

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(カラスノエンドウの花の下にテントウムシがいました。写真を撮ってい時は知りませんでしたが、調べてみるとテントウムシがいるのが普通なのかもしれません)

お花はこんな動画も、是非ご覧ください。

ルピタ・ニョンゴ/ Nature Is Speaking 「花 / Flower」 – YouTube

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[4]「つる草抜き」予定

受付は午前9時より「つる草抜き」の現場付近に受付を移動しました。
受付場所が分からないときは090-1538-1693(鈴木)へ電話してください。

次回の「つる草抜き」は下記を予定しています。
※4月15日(土) ~ 4月22日(土) 午前9時~午後4時
※5月 7日(日) ~ 5月14日(日)  午前9時~午後4時
※5月27日(土) ~ 6月3日(土)  午前9時~午後4時

日程を調整してわずかな時間でもご参加いただけるとありがたいです。
(別日程でご参加できる方はご連絡ください。)

雨の場合(予報を含む)は中止。雅楽協議会ホームページなどに中止の告知をします
駐車場はありません。

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[5] 寄付のお願い

「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。
4月9日現在の寄付額などは358万8千円です。ありがとうございます。

寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[6]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

これまでに配布しました資料などは下記のアドレスから見ることがます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX

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[7] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com

発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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