『ヨシ原通信』No.180 2023年5月3日(水)

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『ヨシ原通信』No.180 2023年5月3日(水)
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[1] 上牧小学校の子供たちが「つる草抜き」
[2] 7日(日)雨予報の為 中止「つる草抜き」
[3] ヨシの成長-2
[4] キツネノカミソリ
[5]「つる草抜き」予定
[6] 寄付のお願い
[7]『ヨシ原通信』バックナンバー
[8] 問合せ先

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[1] 上牧小学校の子供たちが「つる草抜き」

5月1日は5、6年生約80名、2日は4年生35名が「つる草抜き」に参加され、上牧実行組合の組合長の木村和男さんと、植物担当の赤對一雄さんが説明・解説などされました。赤對さんから報告を頂きました。

報告によると「1日は新下流、2日は20番台の下流に入ってカナムグラを抜いてもらいました。ヨシのジャングル探検で子供たちは大はしゃぎでした。20分くらいの「つる草抜き」でしたが記憶に残る体験だったとおもいます。

詳細は上牧小のホームページに写真付きで紹介されています。当日配布した「ヨシ原は日本の宝もの」をご参考までに添付します。」

子どもたちはとても楽しかったようです
下をクリックし、上牧小学校のホームページを見ると良く分かります。https://www.takatsuki-osk.ed.jp/kanmaki/home/index/blog

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(5月2日、上牧小学校ブログより 解説は赤對さん)

上牧小のブログには

「ヨシは子どもたちの背丈よりも高く育っており、まるでジャングルに入るみたいに子ども達はドキドキ感を感じたようです。今回抜く「カナムグラ」を教えてもらい、抜きながらヨシのジャングルを越えて??!行きます。貴重な体験をさせていただきました。」と子供たちの驚きが書かれています。

「篳篥用ヨシの再生」は、子供たちに貴重な自然を伝えていく場にもなりました。もっと広がって行くと良いですね。

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[2] 7日雨予報の為 中止「つる草抜き」

5月7日(日)は、雨の予報が消えません。雨の為中止としました。
8日(月)から「つる草抜き」の予定です。よろしくお願いいたします。

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[3] ヨシの成長-2

ヨシの成長が早いことについて前回少し触れました。
今回は、どのように成長していくのかを見ていこうと思います。

下の図はある1本のヨシの成長を4月16日から23日まで1週間の記録です。

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この図から分かる事を書き出しておきます。

①茎丈は111㎝から161㎝に伸びた。7日間で50㎝、1日平均7㎝成長した。
②伸びる箇所は均一ではなく、下の方はほとんど伸びない。葉も小さい。

4の葉の辺りから葉が大きくなっていく。

(この図の場合は4と記す大きくなった葉の節の箇所示し、その所が伸びている。3-4の間隔は4/16日は8.8㎝だったが、4/23日は22㎝となり、13.2㎝伸びた。4-5の間隔は4/16日はまだ5の葉を出していなかったが、4/18日に4㎝となり4/23日は15㎝となり、11㎝伸びた。)

③下の方の葉は、あまり大きくならないが、(この図のヨシの場合)4節目の葉ぐらいから大きくなり、茎もどんどん伸びていくのが分かる。特に一番上に出た葉は、丸まったまま伸びて細いままだが、伸びきった辺りで開き始め、中からまた葉が伸びて来る。

葉が大きくなると光合成も活発となり成長が早くなるのではないかと思われる。

次回は ヨシの茎の中がどのように変化していくかを見ていきましょう。

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[4] キツネノカミソリ

『ヨシ原通信』№79(2022/8/8)より
「12-Aの区画の前を通っていると、「キツネノカミソリですよ」と高田みちよさん(高槻自然博物館学芸員)に教えていただきました。

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とても珍しい花で東京都や和歌山県などは絶滅危惧種に指定されていました。

名前も変わっていますね。7月の「つる草抜き」の時は誰も全く気が付かなかったのですが、このキツネノカミソリは、どうも突然に現れて美しい花が咲くのだそうです。その様子が昔から狐に化かされているように感じ、また炎のような花は「狐火」に見立てられたようです。「きっと今までは咲かなかったけれど、「つる草抜き」をしているので、少し日が差してきて花を咲かせたのだと思います」と高田さんは話していました。「つる草抜き」をしたからこそ咲いた花なのですね。

☆ キツネノカミソリと一緒にツユクサも(露草 月草 『万葉集』にも)

『ヨシ原通信』№93 2022/8.29より

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朱色のキツネノカミソリと一緒に咲く青色の可憐な花の名前はツユクサ「露草」

朝咲いて、その日の午後にはしぼんでしまうそうで、朝露を連想させたことから露草と呼ばれるようになったという説もあるようです。古代では衣を青く染めるのにも使用されたそうです。

『万葉集』にも詠まれていて、数日前教えていただいたナンバンギゼル(南蛮煙管)に続いての『万葉集』に登場する草と出会えました。(ナンバンギゼル『ヨシ原通信』89号 8/25)

『万葉集』では「月草」と詠まれ9首もあるそうです。その中の1首

「百(もも)に千(ち)に 人は言ふとも 月草(つきくさ)の うつろふ心 我れ持ためやも」

千年以上の時間を超えて奈良時代の昔から咲いている花と続けて出会えて感動します。
教えていただき本当にありがたいです。今後ともよろしくお願いいたします。

私達が帰るとしぼんでしまう「露草」「月草」」(引用ここまで)

今年(2023年)も8月が楽しみです。咲くように頑張りましょう。

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[5]「つる草抜き」予定

受付は午前9時より「つる草抜き」の現場付近に受付を移動しました。
受付場所が分からないときは090-1538-1693(鈴木)へ電話してください。

次回「つる草抜き」は下記を予定しています。

※5月 8日(月) ~ 5月14日(日)  午前9時~午後4時
※5月27日(土) ~ 6月3日(土)  午前9時~午後4時

6月後半より9月もあります。日程は調整中です。
わずかな時間でもご参加いただけるとありがたいです。
(別日程でご参加できる方はご連絡ください。)

雨の場合(予報を含む)は中止。雅楽協議会ホームページなどに中止の告知をします
駐車場はありません。

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[6] 寄付のお願い

「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。
4月15日現在の寄付額などは360万8千円です。ありがとうございます。

寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[7]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

これまでに配布しました資料などは下記のアドレスから見ることがます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX

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[8] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com

発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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