『ヨシ原通信』No.241 2023年9月3日(日)

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『ヨシ原通信』No.241 2023年9月3日(日)
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[1] エリア外周 草の刈込 国交省淀川河川事務所
[2]「鵜殿のヨシ 日本一」大阪朝日新聞記事より   牧野富太郎-⑩
[3]「つる草抜き」予定
[4] 寄付のお願い
[5]『ヨシ原通信』バックナンバー
[6] 問合せ先

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[1] エリア外周 2回目の草の刈込 国土交通省淀川河川事務所

「昨日9月2日、国交省河川事務所がつる草抜きエリアの外周の草刈りをしてくださいました」と植物担当の赤對一雄さんから写真を送っていただきました。

この「草刈り」は、「つる草抜き」をしているエリアと「つる草抜き」をしていない所が近いと、つる草がエリア内に入り込んできてヨシが押し倒されてしまいます。そこでその間2m程の通路にして、つる草が入り込まないことと、「つる草抜き」をするときに移動がしやすいように除草していただくものです。

国交省淀川河川事務所がエリア外周の草の刈込をしていただいたのは、今年(2023年)が初めてで1回目は6月8日、2回目の今回は9月2日となります。今年は、国土交通省淀川河川事務所が除草業者に依頼していただき草刈りをしていただきました。とてもやり易くなります。ありがとうございます。

ちなみに昨年(2022年)は上牧実行組合の木村和男さんが草刈り機で刈られました。

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「つる草抜き」の新上流のあたり (写真 赤對一雄 2023.9.2)

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新上流と上流の間 (写真 赤對一雄 2023.9.2)

 

image0056月8日の草刈りの様子 (写真 赤對一雄 2023.6.8)

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[2]「鵜殿のヨシ 日本一」大阪朝日新聞記事より

牧野富太郎-⑩

昭和12(1937)年3月17日「大阪朝日新聞」の記事から、「鵜殿の葦」「鵜殿ノヨシ」の扱いについて見ていきたいと思います。

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〇「日本一の折紙つき」

記事には「水郷五領村鵜殿の葦が」と「鵜殿」が地名として使用され、その「鵜殿の葦」が「日本一の折り紙つき」と書き進めます。

なぜ鵜殿のヨシが「日本一の折紙付き」かについて直接的ではありませんが、牧野富太郎は、「鵜殿のヨシは、普通のヨシと異なるものではなく、生えている河床の泥土がすこぶる肥えているので、成長が他の所よりすこぶる良好で、その幹(茎)はあたかも竹の様に太くなっている」と記しています。

鵜殿のヨシ原は、シルト層(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%88)(細かな土の栄養豊かな層)が3~4mあり、ヨシの地下茎は1.5mも深いところにあるという。3~4mもの厚さでシルト層があるのは、鵜殿のヨシ原が、3千年以上の歴史を持っているからといわれています。3千年以上の時間の流れの中で栄養豊かな山の土が洪水などにより鵜殿ヨシ原に3~4mも堆積するに至ったようです。また一般的なヨシの地下茎の深さは40㎝までが多いという中で、鵜殿のヨシの地下茎は、1.5m余り深いところにあるといいます。ヨシの地下茎は、どうも一般的なヨシの地下茎よりも深く迄入り込み、大地が乾燥しても地中の水分を吸い上げてヨシが枯れるのを防いだのかもしれません・

https://blog.goo.ne.jp/kitano-manshu/e/ac0287d33df783071d3c29a0f1ce4eae
6-22 ヨシの地下茎の除去 – 満州ブログ (goo.ne.jp)

鵜殿のヨシを、牧野富太郎も間違えてしまうほど、太く、硬いヨシも生育しているのは、3千年の歴史の中で堆積されたシルト層の存在と、地下茎を地下1.5mの深さにして大地の乾燥化にも耐えられるようにしたヨシの生命力の強さがあったからと言えそうです。

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〇 ヨシの手入れとヨシの煤かけ

さらにこの記事から読み取れるのは、「村では毎年3,4月から舊根から新芽萌ゆる葦(葦牙(あしかび)のことかな?)の良質のものを村長以下係官が丹念に手入れし」とありますので、良質のヨシをつる草や雑草などから守るために係官がいて「手入れ」をしたと記しています。当時も良質のヨシを採取できるように「手入れ」をしていたことが分かります。

そして「寒中に刈取って乾燥のうえ陽春のころ宮内庁へ納品。(1937年は)3月16日午後に宮内庁へ発送」

ということと「12月に葦を刈取り藁葺農家の屋根下にて3年ばかりそのままにして自然に乾かしたものを賞用し、東京などの家の中で干したものはどうも具合が悪い」という。

これは同村(五領村)の藁葺農家では囲炉裏に火をくべていたのだろうと思います。そうすると囲炉裏の煙によってヨシは煤をかけた状態となります。一方東京では藁葺農家はほとんど無かったと思いますので囲炉裏で火を燃やすこともなく、ただ乾かしていただけとなります。五領村で煤をかけたヨシと、何もせずにただ乾かしただけのヨシでは、煤をかけたヨシの方が良質の篳篥の蘆舌の材料となります。現在も茅葺屋根のある白川郷のお宅にお願いしてヨシに煤をかける方もおります。

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[2]「つる草抜き」予定

第9クール 9月11日(月)~9月14日(木) 午前8時~午前11時
(なお雨などにより中止の場合、及び作業の進み具合で日程の変更があります。)
駐車場はありません。

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[3] 寄付のお願い

「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。

寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[4]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

これまでに配布しました資料などは下記のアドレスから見ることがます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX

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[5] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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