『ヨシ原通信』No.301 2024年5月10日(金)

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『ヨシ原通信』No.301 2024年5月10日(金)
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[1]ヨシ原を散策 上牧小学校1年・2年生80名
[2]「つる草抜き」を考える-⓵
[3]「つる草抜き」今後の日程
[4]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[6] 寄付のお願い
[7]『ヨシ原通信』バックナンバー
[8] 問合せ先

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[1] ヨシ原を散策 上牧小学校1年・2年生80名

昨日5月9日、上牧小学校1年・2年生80名が、ヨシ原(11番~18番までのロープの外側)を散策しました。ヨシも3メートルぐらいに育っています。と上牧実行組合の木村和男さんから写真を添えて連絡いただきました。
ヨシがすくすくと伸びている中を子供たちも楽しんで散策してもらえるとありがたいですね。

木村さんから送っていただいた写真です。

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ヨシ原を散策する子どもたち 2024年5月9日 (写真 木村和男さん)

[2] 「つる草抜き」を考える-⓵

今年で3年目の「つる草抜き」

「つる草抜き」は2022年春より始めましたが、その理由は、3年前の2021年、この篳篥用のヨシ(雅楽で使う楽器・篳篥のリード(蘆舌)の材料は、この淀川右岸の上牧・鵜殿のヨシ原のヨシが使われています)、このヨシが全滅してしまい、1000年以上伝承されてきた雅楽の音色が途絶えてしまうという雅楽にとっては歴史的危機を迎えてしまいました。なんとかヨシを再生させ雅楽の音色を守り、後世に伝えてゆきたいと「篳篥用ヨシの再生」を目指して「つる草抜き」を続けてきています。

前号(『ヨシ原通信』300号)にシニア自然大学校が発行している月間冊子『自然と仲間』5月号に芳澤義範さんが、21年前からヨシ原の自然観察やヨシ刈などでヨシ原に訪れ活動されていた経験と知見との実績を踏まえて書かれた「「上牧・鵜殿」ヨシ原再生に向け 3年目の「つる草抜き活動」」の記事を転載させていただきました。この記事には2年間続けてきた「つる草抜き」によって「篳篥用ヨシの再生」は「目に見えた成果」として記録されています。

足掛け3年でこのような「成果」が生み出され、書いていただけたことはとても嬉しいことです。
そんな中、最近「つる草抜き」より「効率的な良い方法」として「ヨシ原の表土の掘削があるのではないか」との意見が寄せられました。ここで再度「つる草抜き」について考えてみたいと思います。

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写真 2021年9月に篳篥用ヨシが全滅したときの写真 (写真 木村和男)

篳篥用ヨシが全滅した直接的な理由は、つる草であるカナムグラやヤブガラシがヨシにからまり付き、ヨシを押し倒してしまっていったからでした。

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写真 「ヨシ再生」を目指して400名の方々が参加された「つる草抜き」 2022年4月10日

「ヨシ原の表土を深さ50㎝余り削り取ったら、カナムグラなどは除去できる」

寄せられた意見から

最近 寄せられた意見は「篳篥ヨシの再生」の方法について、「つる草抜きのような手のかかるやり方でなく、表土を削り取ればつる草などを退治できる」との案を提案されました。
たしかに「つる草抜き」は、一見「原始的で非効率的」手法で、「表土の掘削」は「効率的」手法のようにも思えます。
そこで、もし「表土を掘削」したらという前提でどんな問題が起きるのかを考えてみました。

○「掘削」しても5年~10年後には再びつる草が蔓延

まず思いつくのは、カナムグラの種やヤブガラシの地下茎を取り除くことが出来たとしても、数年たつと乾燥化したヨシ原には、カナムグラなどの種がどこからか飛んで来るでしょう。5年、10年経つと又つる草が確実に蔓延してくることは想像できます。5年、10年後につる草などが繁茂したらまた「50㎝余り表土を掘削」するのでしょうか。その時は元の土壌からすれば1mも「掘削」することになる。そこからはまたいろいろな問題が生じてきます。

○ヨシの地下茎の多くは深さ50㎝まで 「掘削」したらヨシは激減

さらに「表土を掘削」を調べていくと、つる草の種や地下茎だけでなく、ヨシの地下茎の多くも取り除いてしまうこと分かりました。ヨシの「保全・再生」のための方策が、ヨシを「激減」させていくことになってしまうのでした。

次の資料をご覧ください。この資料はNEXCO西日本の中に設置された「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に関する検討会」(以下 検討会)の第4回(2014年(平成26年)5月24日)に配布された資料-2-7pです。

ここにヨシの地下茎や根(根系)の分布図のスケッチが描かれています。

下のアドレスをクリックすると7ページにこの資料が見られます。

https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h26/0526/pdfs/04.pdf

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第4回検討会 資料2-7p (ヨシ地下部掘削調査結果(根系分布状況)

読みづらいので ヨシの生育が良い地点Aと ヨシの生育が悪い地点B の写真とスケッチ部分の拡大(資料2-7pの左側 右側)を張り付けます。

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上の写真・スケッチは「ヨシの成員が良い」地点Aです。ヨシの地下茎や根が深くまで分布しているのが分かります。

下の写真・表は、この地点(A)の地下茎や根の量がどのくらい分布しているかを表しています。

(第4回検討会 資料2-8p (ヨシ地下部掘削調査結果(根系分布状況) 資料の8ページ)

https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h26/0526/pdfs/04.pdf

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この根系の量の表を見ると、地下茎(グラフ緑色)は深さ160㎝余りまで分布していて、多く分布しているのは50㎝の深さまであることが分かります。

「ヨシの生育が良い(地点A)」での地下茎(グラフ緑色)は50㎝の深さまに約4割の分布し、根(グラフ赤色)の4割ほどは50㎝の深さまでで、1mまでですと6~7割の根が分布しています。

ヨシの成長が良い地点でも、深い所にも地下茎はありますが、全体的に見ると根系(地下茎・根)の分布は約4割以上が深さ50㎝までであることが分かります。

次にヨシの生育が悪い所(地点B)について見てみると下図のようになっています。

下図 地点B(ヨシの生育が悪い)の写真とスケッチ部分の拡大(資料2-7pの右側)

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(第4回検討会 資料2-7p (ヨシ地下部掘削調査結果(根系分布状況)

https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h26/0526/pdfs/04.pdf

この写真とスケッチを見ただけでも表面から50㎝の深さのところにまでにほとんどの地下茎が分布していることが分かります。

どのくらい量が、どの深さに分布しているかの下図の表です。

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(第4回検討会 資料2-8p (ヨシ地下部掘削調査結果(根系分布状況)

https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h26/0526/pdfs/04.pdf

「ヨシの生育が悪い(地点B)」での地下茎(グラフ緑色)は全て50㎝の深さまでです。根(グラフ赤色)もほとんども50㎝の深さまでです。根系(地下茎・根)の分布は8~9割がた深さ50㎝までであることが分かります。

この資料は「ヨシの成長の良い地点A」と「ヨシの成長の悪い地点B」の2か所だけの資料ですが、この中間「ヨシの成長の中間 地点C」も多くある筈ですから、平均すると少なく見積もっても根系(地下茎・根)の5~7割は地表から深さ50㎝までとなります。

この資料を見れば「表土を50㎝の深さで掘削」したとすると、肝心のヨシの地下茎や根の多くも取り除いてしまう事になり、ヨシは激減してしまうことが分かります。「掘削」は、つる草を退治する予定が、ヨシも退治することになる。

さらに調べていくと「表土の掘削」の問題点は、これだけではありませんでした。表面の土壌の持つ「土質構成」にも大きな影響を与えることになるのです。順次検討したいと思います。

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[3]「つる草抜き」2024年 日程

次は第4クール(5月18日~)となります。
日程は天候やつる草の伸び具合で、変更の場合もあります。
都合をつけてご参加いただけますようお願いいたします。寄付も募っています。

第4クール 5月18 (土) /19日(日) /20(月)   ※1
第5クール 6月3(月) /4(火) /5(水)  ※1
第6クール 6月22(土) /23(日) /24(月) (夏時間) ※2
第7クール 7月8(月) /9(火) /10(水) (夏時間) ※2
第8クール 7月22(月) /23(火) (夏時間) ※2
第9クール 8月3(土) /4(日) (夏時間) ※2
第10クール 8月20(火)/ 8/21(水)   (夏時間) ※2

※1の 第1クールから第5クールは、9時から午後4時です。
※2の 第6クールから第10クールは、夏時間8時から11時です。トイレは使用できません。
※雨天の場合は中止です。また天気予報で、「雨の予報」の場合、中止になる可能性が高いです。
「中止」の場合はこの『ヨシ原通信』などでお知らせします。

●「つる草抜き」は朝9時から夕方4時までですが、受付専用の事務員がいるわけではありませんので、ボランティアの方の受付は、基本的に9時と1時とになります。ご了承ください。
(問合せ先は 090-1538-1693 雅楽協議会・鈴木となります)
●持物 鎌などはありますが、手袋(軍手)や帽子、飲み物・食べ物などは持参ください。
●ボランティア保険(障害保険 ケガや熱中症)に今年も入っています。氏名の記載をお願いしています。 保険料はこれまで同様に雅楽協議会が支払います。
●トイレはNEXCO西日本の工事場の男女別のトイレを今年も借用します。
(6月中旬からは、台風などの影響を避けるため工事関連は全て撤去されますので、トイレも無くなります)

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[4] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

「つる草抜き」は3年目になります。なぜ篳篥用ヨシが悪くなっていったのかなど疑問に思うこと、つる草抜きの意義や活動などを記録しました。
鈴木治夫 著 発行: 2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁 定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。

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[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[6] 寄付のお願い

篳篥用ヨシ再生(つる草抜き)への寄付振込先

●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[7]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=4033
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

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[8] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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