―─◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆───
『ヨシ原通信』No.320 2024年8月8日(木)
─◆─◇◆◇◆◇◆◇─◆─
[1] ヨシのあれこれ-③
ヨシの成長点など
[2]「鵜殿の自然」環境セミナー 大倉清教
上牧公民館 8月27日(火)午前10時
[3]「つる草抜き」今後の日程
[4]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[6] 寄付のお願い
[7]『ヨシ原通信』バックナンバー
[8] 問合せ先
▼───────────────
[1] ヨシのあれこれ-③
ヨシの成長点など
牛や馬が硬い葉も食べられるように、消化器官を進化させていったことは前回触れました。
このままではイネ科の植物は、牛や馬などに食べられ尽くさてしまいます。これは大変とイネ科の植物は食べられても耐えられるような仕組みを身に着けていきます。
イネ科 成長点を低くし、
成長点を増やす(分げつ)
一般に植物の成長点は根や茎の先端にあり、上へ上へと伸びていくそうです。これでは先端を食べられると成長点も食べられてしまい大きなダメージを受けます。そこでイネ科の植物は成長点を低くして葉を上へ上へと押し上げる成長方法を選んだといいます。この方法ですと葉や茎の先端を食べられても、成長点が下にあるので成長を続けていく事が出き、さらに成長点の数を次々に増やしていく方法を考えたといいます。これを「分げつ」というのだそうだ。
「このようにイネ科植物は成長点を下にするという構造で、草食動物の食害から身を守る術を見につけた。こうして、草原はイネ科植物の天下となる」という。(『たたかう植物』稲垣栄洋 2015)
成長点を低く、かつ成長点を増やしていく事によって草食動物に食べられても大丈夫なように変化を遂げていった。植物もすごいですね。
竹・ヨシ 節ごとに成長点
そしてイネ科植物には全て節があるそうです、そしてイネ科の植物である竹やヨシも節ごとに成長点があり節ごとに成長します。
その節の数は、竹の場合タケノコとして芽を出したいときに決まっているといいます。ヨシについてもヨシの新芽・葦牙(あしかび)の段階で節の数が決まっているのではないかと研究論文などを調べましたが、見つけられませんでした。しかし、竹から類推すると葦牙の時にヨシの節の数は決まっていそうです。私が少ないヨシの本数ですが調べた限りでは、葦牙の時に節の数が決まっていそうでした。
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2103/spe1_01.html
https://www.nara.kindai.ac.jp/labo/research/012.php
そしてヨシも竹と同じように、下から押し上げるように育って行き、節の成長点でも育って行くように思います。
下の図は、昨年4月16日から23日のヨシの成長を記録した図です。同じ個体を計測しています。 ヨシの高さは4月16日に110㎝だったヨシが7日後の4月23日は161㎝と51㎝も成長しました。 1日約7㎝成長しています。
更にこの記録から、成長しているのは節間で、それぞれの節間で1日1㎝から10㎝も伸びている節間もあるのが分かります。
また、ヨシの節の数は、20数個のようです。
下の図は、2023年9月13日に記録した図です。
何本かのヨシを調べましたが、節の数はほとんど同じでした。下の図のヨシの節の数は23個でした。(個体によって2つ、3つの節の増減はありました)
このように見てくると、ヨシも葦牙(あしかび)の時に節の数は決まっていて、ヨシの成長は、下から押し上げるように、外側から順に節の所で成長していくようです。
大陸の移動 草原の誕生
牛や馬の消化器官の発達
さらなる植物と動物の進化
ヨシは節間でも成長
ヨシがこのようなとても不思議な成長をしていくのは、地球の歴史と切り離せそうにありません。地球上の一つだった大陸が、数億年前から分裂し、移動を始めた。分裂した大陸が衝突すると山脈を作る。すると山脈にぶつかった風は雲となり雨を降らせ、天候も不安定になっていった。山に降った雨は川となり、やがて下流で三角州を築いていった。そんな地球に「草」が誕生して草原化していった。草が誕生したのはこの時代の三角州であったと考えられています。およそ1000万年から600万年前の事と言われます。
草食動物たちは、草を食べた。イネ科の植物たちは動物に食べられないように葉を硬くし、食べられても生き残れるように成長点を下にし、成長点を増やしていった。
牛や馬は胃や盲腸を発達させで硬くて消化が悪く栄養の少ない草も食べられるようになっていった。
イネ科の植物の竹やヨシは、茎・稈を空洞にして、節ごとに成長もさせていち早く光合成をできるように変化(進化)させていった。
ヨシが空洞で、節があり、葉はケイ酸(ガラスの材料)で硬くするようになっているのは、何億年にもわたる地球の歴史があったからということになるのですね。
▼───────────────
[2]「鵜殿の自然」環境セミナー 講師・大倉清教さん
上牧公民館 8月27日(火)午前10時~12時 無料
主催・メディアテーク五領(MT5)
8月27日に鵜殿の自然・動物や植物の写真を撮られている大倉清教さんが、鵜殿の自然について話していただけます。鵜殿をもっともっと知っていきましょう。
是非お越しください。
平日(8月27日(火)の午前中(10時~12時)
上牧公民館2階 (高槻市上牧町1丁目3 上牧駅より徒歩7分 )
どなたでもご参加いただけます。無料です。ご自由にご参加ください。
主催はメディアテーク五領(MT5)です。
チラシより抜粋
講師(大倉清教さん)自己紹介
「デザイン」の仕事をしています
鵜殿って、どんなところ?
鵜殿のヨシ原とヨシ原焼き
四季折々の自然と景色
鵜殿の美しい自然
鵜殿の生きもの
様々な生きものの暮らし
生きものたちの不思議
つまがっている自然生態系
この自然を守るための提案
鵜殿のヨシ原焼き、つる草抜き
ビオトープ(自然生態圏)と自然環境教育
(下記 大倉清教さんのフェイスブック 8月8日より 引用)
今朝の鵜殿を散歩中に出会った鳥たちです。
鳥とは違うし、いつものイタチともちがうお初にお目にかかったのがキエリテン(最初はタスマニアデビルかと思った)。
調べてみると日本では生息していなく、動物園でも見ることができないらしい。なぜここに居るのかわかりませんが、目の前に現れたので画面に入りきらず、真っ黒な顔に襟がイエローでイタチより二回りも大きく動きも素早い。(資料によると100mも跳躍するとあります。)
鵜殿の生物多様性に驚かされた今朝の散歩でした。 (写真 大倉清教さん)
▼───────────────
[3]「つる草抜き」今後の日程
いよいよ第10クールを残すのみとなりました。
熱中症に気をつけて、ご参加いただければと思います。
第10クール 8月20(火)/ 8/21(水) (夏時間) ※2
※雨天の場合は中止です。また天気予報で、「雨の予報」の場合、中止になる可能性が高いです。
「中止」の場合はこの『ヨシ原通信』などでお知らせします。
●夏時間の「つる草抜き」は朝8時から11時までです。受付専用の事務員がいるわけではありませんので、ボランティアの受付は、8時のみとなります。よろしくお願いいたします。
(問合せ先は 090-1538-1693 雅楽協議会・鈴木となります)
●持物 鎌などはありますが、手袋(軍手)や帽子、飲み物・食べ物などは持参ください。
特に熱中症にご注意ください。
●ボランティア保険(障害保険 ケガや熱中症)に今年も入っています。氏名の記載をお願いしています。保険料はこれまで同様に雅楽協議会が支払います。
●6月中旬からは、台風などの影響を避けるため工事関連は撤去されておりトイレもありません。
▼───────────────
[4] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行
篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点など、またつる草抜きの意義や活動などを記録しました。写真を多く掲載しました。
鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。
▼───────────────
[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)
▼────────────────
[6] 寄付のお願い
篳篥用ヨシ再生(つる草抜き)への寄付振込先
●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会
●銀行は
三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫
▼───────────────
[7]『ヨシ原通信』バックナンバー
『ヨシ原通信』バックナンバー 検索 (各アドレス(青ローマ字)をCtrlを押しながらクリック)
№1~№130 (2022年2月10日) ~(2022年12月31日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
№131~№269 (2023年1月8日)~(2023年12月13日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139
№270~最新号 (2024年1月11日)~
http://gagaku-kyougikai.com/?p=3875
▼────────────────
[8] 問合せ先・連絡先
メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫
▼────────────────