『ヨシ原通信』No.349 2025年4月11日(金)

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『ヨシ原通信』No.349 2025年4月11日(金)
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[1] ヨシ原に水が流れる
つる草(カナムグラ)退治のため

[2] つる草抜き 日程

[3] ヨシ原 豆知識 赤對一雄

[4] 『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行

[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

[6] 寄付のお願い

[7] 『ヨシ原通信』バックナンバー及び問合せ先

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[1] 4月10日から ヨシ原の通水 つる草(カナムグラ)退治のため

ヨシ原にヨシやオギが芽を出し始め伸びてきています。カナムグラも芽を出しています。
このカナムグラは、二葉のときに水没させると枯れてしまいます。
そこでカナムグラがまだ二葉の時に導水路に水を流し、枯らしてしまおうという事です。

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2025年4月10日より ヨシ原に通水、遠くに高速道路の橋脚が見えます 写真赤對一雄さん

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2025.4.10 淀川よりの取水口付近 (写真 赤對一雄さん)

篳篥用ヨシのエリア外はカナムグラを抜いていませんので、カナムグラが絨毯のように生えてきます。1本の茎から100粒以上の種が落ちます。それぞれ芽を出します。翌年はまたそれぞれから100粒以上の種を落としますので1万以上の種に増えます。落ちた1粒は3年後は 100万の種から芽を出すことになります。それを何とか防ごうということで水を流しています。(国土交通省淀川河川事務所は1996年より水を流しています)

今年は気候が寒くカナムグラは二葉のようです。カナムグラを通水によって退治できればと思います。なお、導水路への通水は国土交通省淀川河川事務所のヨシ原保全事業の一つとして行われています。ありがとうございます。

ヨシ原にお越しの際は是非ご覧ください。

なお、今後はカナムグラの芽生えの時期の(3月下旬から)導水路への通水が出来ますと広範囲のつる草も水没可能とも考えておりま河川事務所でご検討いただけますと幸いです。

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2024年4月10日のヨシ原 カナムグラが絨毯のように生えてきている。(写真 鈴木)

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[2] 明日4月12日「つる草抜き」

今後の「つる草抜き」予定日です。是非ご参加ください。(雨の場合は中止です)

日程は 4月12日(土) 午前9時~12時

4月27日(日) 午前9時~12時
5月10日(土) 午前9時~12時
5月24日(土) 午前9時~12時

不明な点は℡090-1538-1693(鈴木) へご連絡ください。
受付は つる草抜きエリアの淀川沿いです。

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[3] ヨシ原は高槻の誇り(鵜殿豆知識) 執筆(赤對一雄)

堤防にある先端が尖がった塔は?

●河川監視用カメラ塔(今は玉子排水機場とNEXCO工事現場出入口を監視)
●ヨシの芽生え(葦牙=あしかび)をイメージしたデザイン

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ヨシ原はいつからあるの?

●縄文時代の後期、約3000年前にこのヨシ原が出来た(C14法)
●稲作が九州北部に、中国揚子江中流域から伝わったのもこの頃で、約2600年

前に近畿地方にも伝わった

●約1300年前に書かれた「古事記」の1ページ目に「うましあしかびひこぢ」と言うヨシに因む神様が書かれている ⇒ヨシと稲作は関係する?
●ヨシ原は約75ha(甲子園球場18個)、上流側が厚い肥沃なシルト層(1~3m)

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自然と歴史の誇りは?
●トネハナヤスリ、ノウルシ、アゼオトギリ等の20数種の絶滅危惧種

春はハナウド、オドリコソウ、クサノオウ、カキドオシなど夏はナンバンギセル、キツネノカミソリなど。全域で3~400種の植物

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トネハナヤスリ(春)

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ナンバンギセル(夏)

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ホンドギツネ

●何万羽ものツバメの塒(ねぐら)入り(他では平城宮、宇治向島)が見られるなど多くの生きもの

府下では珍しい草原の鳥:オオヨシキリ、セッカ。冬はコミミズク、空中停止のチョウゲンボウ、キジの夫婦、危惧種のクロツラヘラサギも、動物ではカヤネズミ、シベリアイタチ、ホンドギツネ等

●古事記からつながる昔の人たちの書いたものに「鵜殿」やヨシの事が記述されている

土佐日記(紀貫之)、本草綱目(ほんぞうこうもく)啓蒙、淀川両岸一覧、牧野富太郎選集5

●平安時代から続く雅楽の篳篥(ひちりき)に使う蘆舌(ろぜつ:リード)は「陸ヨシ」でここで採れる(奈良時代はダンチクを使用)

ヨシ原を守る「つる草抜き」活動は?(ヨシ原焼きや、春から秋にかけての本流からの導水などに加え)

●乾燥化が進み、人手が掛けられなくなって「つる草」=「カナムグラ」や「ヤブガラシ」が茂り

ヨシを倒して光合成を妨げ枯らした。しかし、5m近く伸び、篳篥用の太くて堅い「陸ヨシ」の地下茎は1.5mの深さにあって再生可。また、オオブタクサや、セイタカアワダチソウもヨシの成長を阻害

●雅楽協議会が7000㎡のエリアを定めて春先から夏まで「つる草」を駆除して「陸ヨシ」を育てる

●生態系を守り、防災にも大切な「特定外来種」の侵入防止(鵜殿ではナガエツルノゲイトウの駆除)

豊かで素晴らしい自然が残されている。誇らしい地元の守るべき自然を知って守ろう

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[4] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点、つる草抜きの意義や活動など写真を多く掲載し記録しました。

鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701

武蔵野楽器 ℡03-5902-7281 上記アドレスより申し込めます。

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[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「今年採取のヨシは、太くてきれいなヨシが採取された」と上牧実行組合の木村組合長さんが話されました。
「篳篥用ヨシの在庫は無くなりました」とのことです。

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[6] 寄付のお願い

「つる草抜き」の活動を続けていくための寄付をお願いしています。

寄付振込先

●郵便局は
郵便振込用紙に「ヨシへ寄付」と記入頂き
[口座番号]00140‐5‐614032
[加入者名]雅楽協議会

●銀行は

三井住友銀行 田無支店
普通 4012320
雅楽協議会 鈴木治夫

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[7]『ヨシ原通信』バックナンバー 及び 問合せ先・連絡先

http://gagaku-kyougikai.com/?p=4677

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693(鈴木)

雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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