『ヨシ原通信』No.253 2023年9月25日(月)

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『ヨシ原通信』No.253 2023年9月25日(月)
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[1] 振り返り―③
[2] ヨシの成長―⑨
[3] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[4]『ヨシ原通信』バックナンバー
[5] 問合せ先

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[1] 振り返りー③

★「一列に並んで「つる草」を抜く」で書き忘もありましたので追加します。

1)ヨシの生育している土壌の硬い、柔らかいは、人が踏み固めたものではなく、モグラやミミズによる生態系での影響による。人が踏み固めたところでも、モグラと思われる何かによって土は柔らかくなっている。これは経験的にわかった事です。

2)人が入ることによって土が固くなることは無いので、「つる草抜き」に1つのエリアに10人程度一列に入ることにより、「つる草」の見落としが減り、迷子になる確率も減る。

3)このようにエリアごとに作業が終わるので、今年はエリア番号の記録だけで進捗状況が分かるようになりました。
昨年は、各エリアに作業に入った日付と作業状況を〇×で記録したので、記録するのも事務量が多く、全体の状況の把握も煩雑でした。

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(昨年の作業記録 各エリアに入った日付と作業の進捗を〇△×で記入)

今年は 〇月〇日 8~11 済 で記録ができました。
こまかく記録すれば、〇月〇日 午前 12~15済 午後16~19済 の如く。

★トイレの借用

昨年に引き続きMEXCO西日本の工事現場の男女別のトイレを借用しました。
特に今年は出入り口を「つる草抜き」の現場になるべく近くし、かつ鎌やブルーシートなども置けるコーナーを設置していただきました。ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。

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(写真 左、赤のマークが女子専用トイレ。右、軽トラックに乗っているのが男性用トイレ。中央、木の囲いが「鎌」などを置いておく風雨を防げるコーナー。なお6月中旬から10月中旬は台風などにより洪水も予想されるのでトイレなど全て撤去されます。6月中旬から10月中旬まではトイレなど使用できません)

★導水路の通水

ヨシ原の大量のカナムグラなどを除草し、ヨシ原の再生を求めるには導水路による通水が必要と思われます。(導水路近辺のヨシは「水ヨシ」と言って柔らかいヨシで、導水路より離れた「陸ヨシ」が篳篥用に使用されますが、大量の「つる草」などを除去するには導水路の水が必要です)

昨年(2022年)は、6月1日より6月20日までの期間しか水が流されませんでした
(『ヨシ原通信』№48 2022.6.4 http://gagaku-kyougikai.com/?p=1182)

そこで今年(2023年)は、早くから導水路に水をながしてもらえるよう要望し、導水路に4月4日から水が流され始めた。
しかし、導水路には枯れたヨシがそのまま残り、新しいヨシも生えてきて、水の流れを悪くしていました。そこで綾先生が枯れたヨシを取り除くべく清掃を始めました。

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(写真 「つる草抜き」の現場に行く途中の導水路と交わるところには、枯れたヨシがそのまま残り、水の流れを悪くし、そこで綾先生が枯れたヨシなどを除去すべく一人で奮闘され始めました。2023年4月7日)

一人ではとても無理と、4月17日に「つる草抜き」の参加者がお手伝いに入ります。

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(写真 立ち枯れたヨシを水の中に入り清掃する参加者たち 2023.4.17)

 

image009(写真 水の中の枯れたヨシなどを導水路の外に運び出します。2023.4.17)

現在も導水路に水が流されています。

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(写真 第二渡りでの導水路の水の量を定期的に測る綾先生 2023.9.14)

現在は、ヨシ原の中程までは水が流れますが、それより下流にいくと水は大地に吸い込まれて消えてしまといいます。第3渡りには水が届いていないそうです。

カナムグラは3月の小さい二葉の内に水没させると枯れてしまうそうだが、4月に入り伸びて来ると水没しなくなり、水没による影響は少なくなるという。

来年(2024年)は、カナムグラが二葉の内の早い時期に導水路に水を流してもらえると効果はさらに大きいと思われます。来年は今年よりも早い時期から導水路の通水が始まると良いですね。

綾先生が昨年の「まとめの会」(2022.11.18)(『ヨシ原通信』№123 2022.11.20に掲載)に配布されました「ここ数年の鵜殿ヨシ原を振り返って」2022年11月14日 綾 史郎 (大阪工業大学名誉教授、淀川環境委員会委員)は、とても参考になりますので是非読み返して見てください。下記をクリックすると読めます。

『ヨシ原通信』No.123 2022年11月20日(日) | 雅楽協議会 (gagaku-kyougikai.com) http://gagaku-kyougikai.com/?p=2030

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[2] ヨシの成長―⑨

今年のヨシ原焼きは、雨などで延期もあり例年ですと2月中に行われるのですが、今年は3月12日と例年より遅い日程で行われました。すでに芽を出しているヨシもあったようです。12日後の3月24日にヨシの芽生えを見てみますと、黒く焼け焦げた跡がありました。しかし、焼け焦げが残っているのは先端ではなく途中の2か所に分かれているのが多くみられました。

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(写真 ヨシの芽生え(葦牙=あしかび)に焼き焦げた跡が2か所に分かれて 2023.4.24)

その後、ヨシの成長に伴い、ヨシの断面の写真などを記録として残しました。
下の写真は、葦牙を裁断し茎の中を撮りました。茎の中はびっしりと詰まっていました。

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(写真 ヨシの芽を裁断。根元も途中も中は空洞ではなく詰まっている 2023.4.3)

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芽生えから1か月余り後4月22日のヨシを裁断したのが下の写真です。

茎丈約1m50㎝余り 太さ約9㎜
写真の番号は、ヨシの茎(稈)に直接記入した番号と位置。

(写真が多くなったので以下次回にします) (つづく)

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[3] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

篳篥の蘆舌用のヨシは、昨年採取できた本数より多くのヨシを採取できるのではないかと推測しています。
そこで「つる草抜き」のエリアで成長した蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記メールアドレスへ希望本数など必要事項をご連絡ください。
発送は早くても来年3月以降になるのではないかと思います。

連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com
(メール宛先 上牧実行組合 会長 木村和男氏)

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[4]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』を拡散していただけるとありがたいです。
『ヨシ原通信』のバックナンバーは、下記より読むことが出来ます。
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

これまでに配布しました資料などは下記のアドレスから見ることがます。
https://drive.google.com/drive/folders/1M4MpYYxGF_GAdzrpjayvbI6BEw6zO8YX

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[5] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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