『ヨシ原通信』No.325 2024年8月31日(土)

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『ヨシ原通信』No.325 2024年8月31日(土)
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[1]「つる草抜き」全て終わり
[2]「鵜殿の自然」環境セミナー 大倉清教
[3] ヨシのあれこれ-⑦
祇園祭「芦刈山」ご神体に
[4]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[6]『ヨシ原通信』バックナンバー
[7] 問合せ先

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[2]「つる草抜き」全て終わりました。

2021年秋から準備し、2022年から「つる草抜き」を始め今年で3年目の「篳篥用ヨシ再生」の「ヨシ原焼き」・「つる草抜き」の事業は、終わりました。いろいろとありがとうございました。
来年の1月に地元の入会権を持たれている方々がヨシの刈取りとなります

image001今年2024年も7000㎡余の「つる草抜き」のエリアの中はきれいにヨシが生育しています。

写真 2024年8月26日

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ヨシの上の方は緑色で、下の方は黄色に変わりつつあります。写真 2024年8月26日

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2021年秋、準備の時からの経過などについては『篳篥用ヨシの再生へ~上牧・鵜殿ヨシ原~』(鈴木治夫著)に詳しく書きましたのでご覧ください。篳篥用ヨシについての他 どのようにしてヨシは空洞になっていくのか、篳篥の蘆舌にダンチクからヨシに変わっていく歴史についても書きました。是非お読みください。

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[2]「鵜殿の自然」環境セミナー 講師・大倉清教さん

台風が心配されましたが8月27日10時より上牧公民館に50名余りが参加されました。

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(上牧公民館で話される大倉さん 写真 2024年8月27日 上牧公民館)
お話の結びのスライドに以下の言葉が記されています。

「鵜殿で暮らす生物は、

鳥も、草花も、虫たちも

生態系の一部として生きている

その生物多様性と

四季折々に見る自然環境の

証(あかし)としての

「神秘」を見つめていたい。

そして、子供たちに

愛され、親しまれる

この美しい自然環境を

後世に守り伝えたい」

講師をされた大倉清教さんは終わってから次のように話されました。

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「「鵜殿」の自然と生態系の大切さを、地元のみなさんに知ってもらうために、この一年間高槻市内の計5か所で環境セミナーを開催し、用意したスライドは175枚で2時間をかけて鵜殿の四季折々に変化する風景、鳥や虫たち動植物を写してのべ数百人に聞いていただきました。参加された皆さんは、地元に居ながら見たこともない映像に驚いていました。

セミナーの最後にこの貴重な生態系を守るための私たちの活動を紹介し、たくさんの賛同を得ることができたと思っています。これからも鵜殿の自然の豊かさと生態系を守ることの大切さを訴え続けたいと思っています」と話されました。

大倉さんのスライドの一部

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[3] ヨシのあれこれ-⑦

祇園祭 「芦刈山」ご神体に

毎年7月中旬に行われる京都の祇園祭で市中を巡行する山の一つに謡曲「芦苅」にちなんでつくられた「芦刈山」があるのを知りました。

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「芦刈山」の御神体 鎌を右手に持ちヨシを左手に持つ ご神体

室町時代応仁の乱により京都は焼け野原となり、祇園祭も32年間中断されたという。この応仁の乱の以前からの山鉾の一つとしてすでに「あしかり山」があったと『祇園社記』の中に記されているという。

現在の御神体(上の写真、鎌を右手に、葦を左手に持つ)は、2000年に旧御頭そっくりに造られたものですが、旧ご神体は室町時代の天文6年(1537年)に鎌倉時代に活躍した仏師・運慶の子孫の康運の作とわかっているという。旧御頭は永久保存のため収蔵庫に保管されているという。

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写真 祇園祭 山鉾について 芦刈山 より

http://www.gionmatsuri.or.jp/yamahoko/ashikariyama.html

なお、謡曲「芦刈」のもとになった話は平安時代(天暦5(951)年頃に書かれた『大和物語』で、葦を刈って暮す男が登場します。あらすじは、摂津国に住む夫婦が貧しさのあまり、いったん離別してそれぞれに暮らしを立てようと決め、女は宮仕えから高貴な主の妻になる。男は芦を刈って売り歩く極貧の生活を送る。年月を経て女に探し出された男は、わが身を恥じて和歌だけを残して姿を消すという話です。

谷崎潤一郎の「蘆刈」もこの話から着想を得ているといわれています。

極貧の生活を続けた芦刈の男も祇園祭で「ご神体」になっていたのですね。

(参考『ヨシの文化史』西川嘉廣著 淡海文庫 2002年 ほか)

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[4] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点など、またつる草抜きの意義や活動などを記録しました。写真を多く掲載しました。
鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)

問合せ・購入  https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。

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[5] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[6]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』バックナンバー 検索 (各アドレス(青ローマ字)をCtrlを押しながらクリック)

№1~№130 (2022年2月10日) ~(2022年12月31日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
№131~№269 (2023年1月8日)~(2023年12月13日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139
№270~最新号 (2024年1月11日)~
http://gagaku-kyougikai.com/?p=3875

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[7] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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