『ヨシ原通信』No.326 2024年9月3日(火)

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『ヨシ原通信』No.326 2024年9月3日(火)
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[1]「鵜殿の自然」を動画(YouTube)でご覧ください
環境セミナー 大倉清教
[2] ヨシのあれこれ-⑧
アシからヨシへ
[3]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[4] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[5]『ヨシ原通信』バックナンバー
[6] 問合せ先

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[1]「鵜殿の自然」動画でご覧ください。

環境セミナー 講師・大倉清教さん
2024年8月27日 午前10時~12時 高槻市上牧公民館

前編(前半1時間)と後編(後半1時間)に分けてユーチューブにアップしました。
大倉さんの許可も頂いています。
きっとあなたも「こんなにもたくさんの鳥たちが暮らしていたのか」と驚くでしょう。どうぞご覧ください。

「鵜殿の自然」前編 午前10時~11時

「鵜殿の自然」後編 午前11時~12時

ここに写っていない植物や昆虫もたくさんありますよね。
お話の結びのスライドに以下の言葉が記されています。

「鵜殿で暮らす生物は、

鳥も、草花も、虫たちも

生態系の一部として生きている

その生物多様性と

四季折々に見る自然環境の

証(あかし)としての

「神秘」を見つめていたい。

そして、子供たちに

愛され、親しまれる

この美しい自然環境を

後世に守り伝えたい」

本当にそうですよね。

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鵜殿にて 朝陽を浴びたツマグロヒョウモンチョウ 写真 大倉清教さん

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[2] ヨシのあれこれ-⑧

アシからヨシへ

今はヨシと呼ばれていますが、昔は「アシ」と呼ばれていた。明治時代になり「アシ」が「悪し」と同音なのを嫌い「善し」「良し」に通じるとして「ヨシ」との学名が付けられたという。
アシの語源について次のようにいろいろな説があるようです。(『ヨシの文化史』を参照した)

① 節のある茎という意味の「稈(はし)」の変化したもの。
② 草木のはじめという意味で「はし」の変化したもの。
③「青し」の変化したもの。

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穂を付けたヨシ 2024年8月

『古事記』『日本書紀』には「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)」「葦原中津国(あしはらのなかつくに)」

と日本の美称がみられ、『古事記』に「葦牙(あしかび=ヨシの新芽)の如く萌え騰(あ)がる物に寄りて成れる神の名は「可美葦牙舅尊・神(ウマシアシカビヒコヂノカミ)」とあり『古事記』の中で最初に出てくる植物は葦でした。植物から神様が生まれたのです。

『日本書紀』にも「天地の中に、ある物が生じた。形は葦の芽のようだったが、間もなくそれが神となった」と記されています。「葦牙(あしかび)」は神になりました。また「葦牙が人となった」とも記されています。

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ヨシの新芽=葦牙 2023年3月24日

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ヨシの新芽(葦牙)がたくさん生えてきています。 2024年3月22日

上牧・鵜殿ヨシ原の入り口の山崎出張所の横に立つ塔(淀川の流れを監視するカメラが付けられている)は、ヨシの新芽の葦牙(あしかび)を模して建てられました。葦牙はアシカビで、ヨシカビとは呼ばない。

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明治時代の学者は語呂合わせで名前を変え、学名を付けたのですね。

『万葉集』の約4500首中、植物を詠みこんだ歌は約1500首あるという。その中でアシ(万葉仮名で、蘆、葦、葭、安之、安志、阿之など)を詠み込んだ歌は50首余という。

なお、万葉歌の中で多く出てくる植物は、

① 萩(はぎ) 142首
② 楮(こうぞ) 138首
③ 梅(うめ) 119首
④ 射干玉(ぬばたま) 79首
⑤ 松 77首
⑥ 藻 74首
⑦ 橘(たちばな) 57首
⑧ 稲 57首
⑨ 葦(あし) 49首
⑩ 菅(すげ) 49首
⑪ 桜 46首

とのことです。

(参考『ヨシの文化史』西川嘉廣著 淡海文庫 2002年 ほか)

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[3] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点など、またつる草抜きの意義や活動などを記録しました。写真を多く掲載しました。
鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)

問合せ・購入  https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。

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[4] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[5]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』バックナンバー 検索 (各アドレス(青ローマ字)をCtrlを押しながらクリック)
№1~№130 (2022年2月10日) ~(2022年12月31日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684

№131~№269 (2023年1月8日)~(2023年12月13日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

№270~最新号 (2024年1月11日)~
http://gagaku-kyougikai.com/?p=3875

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[6] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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篳篥を吹く源博雅(『陰陽師 玉手匣 2』より)ⓒReiko Okano

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