『ヨシ原通信』No.329 2024年9月19日(木)

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『ヨシ原通信』No.329 2024年9月19日(木)
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[1] ヨシのあれこれー⑩
伊勢姫 高槻市 / 『枕草子』と徳富蘆花
[2] ヨシの活用を広げるために
ヨシを考える シンポジュウム 10月12日(土)
[3]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[4] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[5]『ヨシ原通信』バックナンバー
[6] 問合せ先

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[1] ヨシのあれこれ-⑩

伊勢姫 / 『枕草子』と徳富蘆花

前回 葦(あし)を読みこんだ歌で三十六歌仙の一人 伊勢を紹介させていただきました。

この伊勢は晩年にJR高槻駅より北に歩いて15分ほどの伊勢寺(いせじ)(高槻市奥天神町1丁目1-19)の地に、宇多法王と行明親王の御霊を祀り俗世間と離れて暮らし、伊勢が亡くなった後、屋敷跡を寺として整備し伊勢寺となりました。

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伊勢が晩年に暮らした地に伊勢寺

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境内には歌碑「難波潟 (なにわがた)短き芦の (あし)節の間も 逢(あ)はでこの世を 過ぐしてよとや 伊勢」もあります。

ヨシ原の近くにあるのを教えていただきました。一昨年(2022年)6月に大阪大学の深尾葉子教授に案内していただきました。ありがとうございます。
ヨシ原から近い所に平安時代の歌人の跡が残され、男山の石清水八幡宮と共に平安時代をとても身近に感じますね。

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写真 高槻市教育委員会の「歴史散歩路」の案内板 JR高槻駅から北に歩いて15分ほどのところ。

『百人一首』から清少納言の『枕草子』へと話題を変えます。

『枕草子』と 徳富蘆花

清少納言(平安時代の作家・歌人966年頃から1025年頃〉は『枕草子』の「草の花は・・」の中で

すてきな花、立派な花の名前を順番に書き出しています。「蘆の花も良い」と15番目に書いています。

『枕草子』の本文ではそれぞれの花の美しさの理由も書かれていますが、長くなるのでここでは省略させていただきます。

まず筆頭から順番に

撫子(なでしこ)/ 女郎花(おみなえし)/ 桔梗(ききょう)/朝顔/ 刈萱(かるかや)/ 菊 / 壺すみれ/

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写真 清少納言が冒頭にあげた花 カワラナデシコ(河原撫子) 別名 ヤマトナデシコ(大和無撫子)

続いて8番目から順に挙げたのは

竜胆(りんどう)/ かまつか(雁来花)/ かにひ(雁緋)/萩/ 八重山吹/ 夕顔/ しもつけの花/

そして最後15番目に

蘆(あし)の花/ を挙げています。

1番にあげられたのが「撫子」です。この頃はカワラナデシコが 撫子と呼ばれていたそうです。今は「なでしこジャパン」で有名ですね。

この「撫子(なでしこ)」の名前は漢字の通り「花の姿があまりにもかわいらしく、手で優しく子供を撫(な)でたくなる」ことから「撫子」また「撫でて育てるかわいい子のような花」という意味が込められているといわれます。

さて数ある花のから15番目にあげられたのが「蘆(あし)の花」になります。
「蘆(あし)の花」も平安時代の清少納言の目に止まっていたのでした。

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蘆(あし)・ヨシの花

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「蘆の花」と云えば名前に「蘆花」と付けた徳富蘆花(1868(明治元)年~1927(昭和2)年 小説家)がおります。

徳富蘆花と号し始めたのは17歳ぐらいの時からで、名前の由来は「『蘆の花は見所とてもなく』と清少納⾔は書きぬ.然もその見所なきを余は却って愛するなり」からとったとしています.(徳富蘆花『自然と人生』)

『枕草⼦』「 草の花は」では「葦(あし)の花」が出てきますが、「蘆の花は見所もなく」とは書かれていません。明治時代は「蘆の花は見所もなく」というような否定的な訳もあったのでしょうか。

今も伝えられる写本は「蘆の花も美しい」というニュアンスのものが多いように思えます。

蘆・葦(あし)を調べていくといろいろな所で書かれています。

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[2] ヨシの活用を広げるために

ヨシを考える シンポジュウム

10月12日 枚方市総合文化芸術センター 午後2時~

ヨシの活用をさらに広げるためにアトリエMayの塩田さんらが昨年「一般社団法人 ヨシオープンイノベーション」を結成され第1回のシンポジュウムが 枚方市総合文化芸術センターで10月12日午後2時から開催されます。

シンポジュウム(2時~4時)の参加は無料です。
是非ご参加ください。ヨシの事をさらに知っていきましょう。

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第一回シンポジウムと交流会「考えるヨシ 未利用資源の活用」

●日程 2024年10月12日(土)
●場所 枚方市総合文化芸術センター
1階ひらしんイベントホール(枚方市駅より徒歩5分)
●タイムスケジュール
14:00-16:00(開場13:45)参加費:無料

第1回ヨシのシンポジウム

スピーカー

・小山弘道 (植物生態学研究者・協議会顧問)
「うどののヨシとその再生に向けて」
・笹井良隆 (協議会アドバイザー)
・鈴木治夫 (雅楽協議会・協議会顧問)
「日本の文化を守るヨシ」
・大塚小百合 (株式会社MIRAI ACT ジーンズソムリエ)
「岡山県・児嶋のヨシをジーンズに!」
・塩田真由美 (株式会社アトリエMay 代表取締役 協議会代表)
「ヨシを良しとする商品計画」
17:00-19:00(開場16:30) (参加費2,000円※軽食付)
・篳篥演奏会(深見亮介 (篳篥奏者)
・交流会

終日開催:ヨシ商品の展示販売
イベントにご参加頂ける場合は、下記からお申込み頂きますと幸いです。
https://www.yoshi-open-innovation.org/symposium/

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[3] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行

篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点など、またつる草抜きの意義や活動などを記録しました。写真を多く掲載しました。

鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281

上記アドレスより申し込めます。

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[4] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について

「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)

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[5]『ヨシ原通信』バックナンバー

『ヨシ原通信』バックナンバー

№1~№130 (2022年2月10日) ~(2022年12月31日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684

№131~№269 (2023年1月8日)~(2023年12月13日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139

№270~最新号 (2024年1月11日)~
http://gagaku-kyougikai.com/?p=3875

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[6] 問合せ先・連絡先

メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/

発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫

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