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『ヨシ原通信』No.332 2024年10月17日(木)
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[1] ヨシの活用を広げるために
ヨシを考える 交流会 報告-2
[2]『篳篥用ヨシの再生へ』活動記録 冊子発行
[3] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
[4]『ヨシ原通信』バックナンバー
[5] 問合せ先
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[1] ヨシの活用を広げるために
ヨシを考える 交流会 報告-2
第1部シンポジュウムの後、第2部 交流会が始まりました。
まずは深親亮介さんによる解説を交えながら篳篥の演奏を楽しみました。
深親さんは篳篥で幅広いジャンルの音楽を演奏されて、篳篥の音色を伝えています。
深親さんはユーチューブでも発信されています。下記からどうぞ
https://www.youtube.com/channel/UChuOjZTQfK2AoEnUbyrH6pw
木村和男 上牧実行組合
「もし3年前に手を付けなければヨシの再生はかなわなかった」
上牧・鵜殿ヨシ原で篳篥用のヨシを採取され宮内庁などにも納めている上牧実行組合の組合長の木村和男さんは、ヨシの全滅から再生への話をされました。
木村さんのお話の中で特に印象に残ったのは「3年前にヨシの再生に取組んでいただいてほんとうに良かった。もしあの時に手を付けていなければ、篳篥用のヨシは、全滅から絶滅へとなっていただろう」と話されました。その理由として「今年、何もしていないヨシ原(「つる草抜き」エリアの外)は数年前に比べると格段に悪くなっている」と強調されました。
「今年も「つる草抜き」のエリアはヨシがきれいに育っていますが、その外は目を覆うばかりで、つる草もオオブタクサも3年前よりひどく、今年は特にオオブタクサがひどい。ヨシはつる草に押し倒されて以前より見る影もなくなっています。手を付けようがありません」
木村和男さん (写真 塩田さん)
木村さんは3年前を振り返り続けます。「3年前、天満宮の宮司さんが茅の輪を作りたいのでヨシを分けてくださいと連絡があり、ヨシ原に行ったのが5月か6月だったと思います。その時ヨシは立派に育っていました。9月になり「雅楽だより」に掲載の写真を撮りにヨシ原に行くと驚きました。春にはあったヨシが無くなっていたのです。ヨシがつる草に押し倒されていたのです。いつもはヨシで向う側の堤防は全く見えないのですが、ヨシが無くなっているので向う側の堤防が丸見えになっていました。「これは大変だ」とすぐに「雅楽だより」の鈴木さんに「ヨシは全滅ですよ」と連絡しました。それから鈴木さんが動かれて翌年2022年の春から「つる草抜き」をしていただいています。
初日の日(2022年4月10日)は東儀秀樹さんもボランティアで参加され本澄寺で午後から「東儀秀樹ミニコンサート」を開催してくれました。
4月10日だけで600名もの参加があり、つる草のヤブガラシやカナムグラを大勢の人で抜くことができました。この頃はびっしりとつる草の芽が出ていまして、一か所に座り込むと手の届く範囲のつる草を抜くだけでも5分10分とかかりました。それ程につる草が生えていていました。
年を重ね「つる草抜き」を続けているとエリア内のつる草は減っていきました。
3年目の今年は、「つる草抜き」のエリアのつる草はだいぶ減りましたが、エリアの外は3年前以上につる草が蔓延しています。今年は特にオオブタクサが増え、ヨシの生育の邪魔をしています。もう全くヨシは生えていません。
もし、3年前に「つる草抜き」を始めていなかったらきっとヨシの再生は出来なかったと思います。ほんとうに3年前から始めていただいて良かったです。」と3年前から「つる草抜き」を始めた事の意義を話してくださいました。
振り返りますと私(鈴木)も篳篥用ヨシの全滅は、雅楽にとって「歴史的な危機」を迎えてしまったと思いました。東儀秀樹さんも同じ思いからボランティアで「東儀秀樹ミニコンサート」を毎年開催してくださっています。
3年前テレビで「雅楽の危機」を呼び掛ける東儀秀樹さん
(2022年3月15日 毎日放送「よんチャンTV」)
3年前(2022年)は「つる草抜き」を4月から9月末まで45日間、のべ1200名余で行うことができ、現在に続けていく事ができました。
ご協力いただいた多くの皆さんに心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
始めの一歩は踏み出せたように思います。問題はこれからです。
写真 今年(2024年)10月11日
「つる草抜き」のエリア(管理道路沿い約250m×奥行約28m 約7000㎡)
「つる草抜き」によってヨシは再生し、ヨシが穂を付け育っています。
写真 エリアの外は、つる草が蔓延し、オオブタクサも今年は特に多い。ヨシは見当たらない。手のつけようもないほど荒れ野になった。 2024年10月11日
「くらわんか船」
深親さんの篳篥演奏と木村さんのヨシのお話の後、美味しい食べ物とお酒が振る舞われました。
「くらわんか船」は江戸時代、京・伏見~大阪間をつなぐ淀川を往復していた三十石船で、その乗客に枚方周辺で小舟で近づき「酒くらわんか、餅くらわんか(飲まないか、食べないか)」などと酒 食を売っていたのが「くらわんか船」という。(お酒のラベルより)
ひらかた独歩ふぁーむ
大島哲平さん
美味しい食べ物は、ひらかた独歩ふぁーむで栽培された大阪黒菜を使用して、地元の(株)原田食品さんに中華惣菜を作って頂いたというもの。
ひらかた独歩ふぁーむでは、枚方市穂谷の里山で農業を営まれ、ヨシを繊維化する際に出る残渣を持ち込んで、里山の竹チップと混ぜて、堆肥化し、そのヨシ堆肥で作ったなにわの伝統野菜「大阪黒菜」を栽培されています。
ヨシを堆肥にするととても良い肥料になるとのこと。いろいろと教えていただきました
ひらかた独歩ふぁーむのホームページ → https://www.doppo-farm.com/
ひらかた独歩ふぁーむでヨシを混ぜた堆肥から栽培された大阪黒菜などを使用して作られた料理。とてもおいしかった。
(写真 大倉さん)
三十石船「くらわんか」(純米酒)
三十石船で江戸時代に売っていた「くらわんか酒」への想いを馳せてつくられたという「くらわんか うすにごり 純米酒 (生)」。ラベルには「味は大阪らしく甘酸味い中にも米の旨味が感じられる仕上がりになっている」というだけあってとてもおいしい生酒です。会場でも頂き、家に帰ってからも頂いています。
会場で振る舞われた江戸時代 三十石船に想いを馳せ作られた純米酒「くらわんか」
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[2] つる草抜き 活動記録 『篳篥用ヨシの再生へ ~上牧・鵜殿ヨシ原~』冊子発行
篳篥用ヨシが全滅した2021年秋、なんとかヨシを再生できないかと模索した経過や、問題点など、またつる草抜きの意義や活動などを記録しました。写真を多く掲載しました。
鈴木治夫 著 発行:2024年3月 雅楽協議会 サイズ:A4 頁数:54頁
定価 1,100円(税込)
問合せ・購入 https://musashino-gakki.com/product/?p=100701
武蔵野楽器 ℡03-5902-7281
上記アドレスより申し込めます。
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[3] 篳篥の蘆舌用ヨシの購入について
「つる草抜き」エリアの篳篥蘆舌用のヨシを購入希望の方は下記へご連絡ください。
連絡先・問合せ先 メールアドレス
kimura7633@gmail.com (上牧実行組合 木村和男氏)
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[4]『ヨシ原通信』バックナンバー
『ヨシ原通信』バックナンバー
№1~№130 (2022年2月10日) ~(2022年12月31日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=684
№131~№269 (2023年1月8日)~(2023年12月13日)
http://gagaku-kyougikai.com/?p=2139
№270~最新号 (2024年1月11日)~
http://gagaku-kyougikai.com/?p=3875
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[5] 問合せ先・連絡先
メール gagakudayori@yahoo.co.jp
℡042-451-8898 ℡090-1538-1693
雅楽協議会 http://gagaku-kyougikai.com/
発行 雅楽協議会 ヨシ対策室 担当 鈴木治夫
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